2007年12月26日(水)「しんぶん赤旗」
「軍隊をどう考える」?
〈問い〉 日本共産党は軍隊について、どのようなお考えをお持ちでしょうか? 仮に政権をとった場合には、軍隊をどのように位置づけ、対応されるのでしょう。綱領を拝見してもそれらしきことがでていないのでおたずねします。(三重・一読者)
〈答え〉 日本共産党は、綱領で「社会主義・共産主義の社会がさらに高度な発展をとげ、搾取や抑圧を知らない世代が多数を占めるようになったとき、原則としていっさいの強制のない、国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会への本格的な展望が開かれる」と、国家権力の一部である軍隊が不必要な戦争のない未来社会を展望しています。
軍隊の廃止や戦争の根絶が実現すれば、人類史の新たな段階を画することになります。
エンゲルスは、将来の共産主義社会で常備軍(軍隊)が不必要になる最大の理由について次のように述べています。
「今日の社会になくてはならない、きわめて費用のかかる施設のひとつは常備軍である。常備軍は、住民中のもっとも強壮で有用な部分を国民から奪い、このようにして不生産的にされたその部分を養うことを強制する。常備軍がどんなに費用がかかるかを、われわれはわれわれ自身の国家予算で知っている。すなわち、年に2400マルクを要し、もっとも強壮な働き手を20万人も生産から奪っている」「現在、文明国民が軍隊によって奪われている無数の労働力は、共産主義組織のもとでは労働に返還されるであろう」(「エルバーフェルトにおけるふたつの演説」、『マルクス=エンゲルス全集』第2巻)。
軍隊の廃止は、ばく大な軍事費の平和的活用という国家財政の画期的転換をきりひらくことになり、日本経済の国民本位の改革にとっても大きな意義をもちます。
このような展望をふまえつつ、日本共産党は軍隊である自衛隊の措置について明らかにしています。
いま、自民党はアメリカの世界戦略の一翼を担い、日常的に自衛隊の海外派兵ができるようにと、憲法9条を削除して、自衛隊を「自衛軍」にする「新憲法草案」(05年11月)を発表し、軍国主義復活をめざす動きを強めています。
日本共産党は戦争や軍隊のない社会主義・共産主義の社会をめざしますが、まず異常な対米従属と大企業・財界の支配を打破する資本主義の枠内での民主的改革をめざしています。
自衛隊の海外派兵をやめ、軍縮の措置をとること、日米安保条約を廃棄した後、国民の合意での自衛隊の解消(憲法9条の完全実施)をすすめていきます。(竹)
〔2007・12・26(水)〕