2007年12月31日(月)「しんぶん赤旗」

ハローワーク26カ所廃止計画

知事や商工会反対

計画撤回と充実 仁比議員が要求


 無料の職業紹介や雇用保険の給付、職業訓練などを行っている公共職業安定所「ハローワーク」を全国の十八県で大規模に廃止する計画に対して、「地方切り捨てだ」「承知できない」と首長や商工会議所、労働者がこぞって反対するなど各地で存続を求める声が広がっています。

 政府が決めた公共サービス切り捨ての公務員削減計画の一環で、全国のハローワークで二〇一〇年までに約八百人の人員を削減するためです。貧困が広がるなか、非正規雇用の増大に歯止めもかけず、憲法で定められた働く権利を保障する公的職業紹介まで投げ捨てる厚生労働省の姿勢が問われています。

 厚労省が日本共産党の仁比聡平参院議員に明らかにした計画によると、北海道・北三条出張所から宮崎・高千穂出張所まで十八県・二十六カ所を廃止する方針で、早ければ四月から廃止されるところもあります。

 鳥取県では、県内六カ所あるハローワークのうち、郡家(八頭町)と境港(境港市)を三月で廃止する計画。両地域は有効求人倍率が全国平均を下回る鳥取県内でもさらに雇用情勢の悪い地域。

 それだけに平井伸治知事が十一月末、岸宏一厚労副大臣に会い、廃止撤回を要請。県商工会議所と県商工会連合会も厚労省に存続を求める要望書を提出しています。鳥取県労連が廃止計画中止の申し入れを行うとともに、存続を求めて署名運動などに取り組んでいます。

 要請した平井知事は「鳥取県のように雇用が失われている地域にこそ、人材を回すのが本来の思いやりある労働行政ではないか」と語りました。

 このほかにも、広島県尾道市の因島出張所廃止計画に対して、村上祐司因島商工会議所会頭はじめ各種団体代表ら十五氏が連名で広島労働局に存続を要請。「『地方の切り捨て』『地域間格差』など地域の活性化を阻害し大変遺憾に存じます」と批判しています。

 仁比議員は「深刻化する就職難や公共交通の便が悪くなるなか、地域に根付いた相談窓口であるハローワークを充実させるべきときに許されない逆行だ」と同省に撤回と充実を求めています。

■廃止対象ハローワーク

 北海道・北三条出張所
 青 森・鯵ケ沢出張所
 岩 手・千厩出張所
     陸前高田出張所
 宮 城・青葉出張所
 福 島・石川出張所
     浪江出張所
 茨 城・常陸太田出張所
 東 京・宇田川町出張所
 神奈川・鶴見所
     鶴屋町出張所
 愛 知・名駅出張所
     名古屋北所
 大 阪・難波出張所
 兵 庫・姫路南所
     三宮出張所
 鳥 取・郡家所
     境港所
 岡 山・玉島所
 広 島・因島出張所
     世羅分室
 山 口・小野田所
 福 岡・天神出張所
     大手町出張所
 大 分・臼杵所
 宮 崎・高千穂出張所



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp