2008年1月9日(水)「しんぶん赤旗」
三菱接待に石破氏同席
秋山交流協会常勤理事、久間・額賀氏とも宴席
参考人質疑で大門議員 証人喚問を要求
資金の受領は否定
日米軍需企業と政界を結ぶパイプ役とされる日米平和・文化交流協会の秋山直紀常勤理事の参考人質疑が八日、参院外交防衛委員会で行われました。秋山氏は、久間章生元防衛相、石破茂防衛相ら複数の政治家と軍需企業の施設などで接待を受けたとのべ、軍需企業による政界工作の一端が明らかになりました。一方で遺棄毒ガス弾処理事業や次期輸送機ＣＸエンジンの販売代理権をめぐり、軍需商社「山田洋行」から計約一億三千万円を受け取ったとされる疑惑は否定。日本共産党の大門実紀史議員は秋山、久間両氏の証人喚問を要求しました。
 （写真）質問する大門実紀史議員＝８日、参院外交防衛委 |
秋山氏は、大門氏の質問に、三菱グループの接待施設、開東閣（東京都港区高輪）に行ったことが「数回ございます」と答弁。大門氏が「石破防衛相といったことはあるか」とただすと、秋山氏は「複数の議員と行っている。行ったことはあると思う」と明かしました。
秋山氏は、久間氏とともに軍需企業の保養施設で食事をしたことも認め、「久間先生に限らず、交友関係のなかで数社、何度もある」とのべ、接待が頻繁に行われていることを示しました。さらに、額賀福志郎財務相と軍需企業との宴席に同席したことも「たしか数回ある」としました。
前防衛事務次官の守屋武昌容疑者が、秋山氏から「大臣と飲むから来ないか」と誘われたと証言した、久間氏、山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者との宴席については「事実はございません」と否定。一方で、久間氏、宮崎容疑者とは「たしか一回か二回あると思う」とのべました。
秋山氏は、福岡県の苅田港での遺棄毒ガス弾処理事業に関して、日米平和・文化交流協会が知見や実績がなかったにもかかわらず二〇〇三年二月に防衛庁から調査業務を受注した経緯について、「防衛庁運用課からの要望もあって入札に参加した｣と説明｡一般競争入札が形式的なもので、そもそも同協会の受注ありきだったことを裏づけました。
一方で、同事業で下請けに入った山田洋行から受注工作費として秋山氏側が約一億円を受領したとされる疑惑を否定。ＣＸエンジンの販売代理権を奪われないようにと久間氏への口添えを求めて、山田洋行が提供したとされる二十五万ドル（約三千万円）の受け取りも否定しました。
しかし、秋山氏が顧問を務める米国企業に対し、山田洋行がコンサルタント料を支払ったことは認めました。額については「当事者（米国企業）に聞く話」だと回答を避けました。
■関連キーワード
