2008年1月9日(水)「しんぶん赤旗」
父子家庭への対策は?
〈問い〉 最近、母子家庭施策の切り捨てが問題になっていますが、父子家庭の報道はほとんどありません。父子家庭も子育てと仕事の両立はたいへんだということを、ぜひ知ってください。日本共産党は父子家庭への対策を何か考えていますか。(東京・一読者)
〈答え〉 一人で仕事と子育てをする大変さは、父親でも母親でも変わりありません。
ただ、同じひとり親家庭でも、その困難の内容には違いがあります。各種の調査では、父子家庭は慣れない家事や子どもの世話、教育に苦労していることが共通して出されています。「子どもが病気やけがをしたとき休暇が取れる制度」「仕事の時間を短縮したりずらしたりする制度」を望む声も多数寄せられています。
父親の子育てにたいする社会的な理解は遅れており、また長時間労働を強いられる男性のなかには、子育てのために仕事を変えざるを得ない人も少なくありません。
日本共産党は2005年、男女共同参画基本計画改定に当たって母子家庭への支援強化とあわせ、父子家庭の実態をただちに調査するよう政府に申し入れました。政府は同計画で、「実態やニーズを把握し、子育て・生活支援等必要な支援を講じていく」と決めましたが、病気のときの家事援助や保育サービスなどの支援は不十分です。
低所得の母子家庭に支給される児童扶養手当が父子家庭には支給されません。日本共産党は国会で、児童扶養手当の削減に反対するとともに、低所得の父子家庭に手当を支給すべきだと求めています。
政府は、父子家庭に不支給なのは、母子家庭の2倍近い年収があるからだと説明しています。たしかに父子家庭の年収は平均421万円で、児童扶養手当を含む母子家庭の213万円より高くなっています。しかし父子家庭の年収は一般家庭の74・7%にとどまっており、就労収入が200万円未満の世帯は16%にのぼります(06年度全国母子世帯等調査、厚生労働省)。
児童扶養手当を父子家庭にもという声は当然です。国への意見書を全会一致で可決した自治体もあります。日本共産党はひきつづき児童扶養手当を父子家庭に拡大するよう求めていきます。
また、父子家庭を含むひとり親家庭を対象にした生活保護の「母子加算」の削減(09年度の全廃へ向け段階的削減中)には一貫して反対し、元通り子どもが18歳になった年度末までの支給を要求しています。
ひとり親家庭にたいして児童育成手当や医療費助成などを、国の施策に上乗せして独自に実施している自治体もあります。
日本共産党は、母子家庭とともに父子家庭の実態の上に立った制度の創設や拡充などを求めています。(万)
〔2008・1・9(水)〕