2008年1月12日(土)「しんぶん赤旗」
薬害肝炎救済法が成立
原告“範囲拡大へさらに”
薬害肝炎被害者救済法が十一日、参院本会議で全会一致で可決、成立しました。来週中に公布されます。薬害C型肝炎原告団は、同法の成立を受け、政府と十五日にも和解基本合意書を締結する方針で、二〇〇二年に始まり、全国十カ所の地裁・高裁で現在も係争中の訴訟は解決に向かいます。
全国原告団の山口美智子代表は本会議後、「全会一致での成立に胸がいっぱいになりました。感謝しています」とする一方、「これが一般肝炎対策につながるかを見極め、今後もたたかっていく」と語りました。
救済法は、前文で被害を発生、拡大させた国の責任を明記。その上で、フィブリノゲンや第九因子製剤の投与でC型肝炎に感染した被害者を対象に、国と企業が拠出して設置する基金から、千二百万―四千万円を支給します。被害認定は裁判所が行います。
ただ、三百五十万人といわれるウイルス性肝炎患者に対し、救済法の対象は千人程度にとどまる見通しで、今後、先天性疾患の治療のために投与し感染した人などへの救済範囲の拡大や、恒久法の成立など課題も残されています。
成立後、原告団と衆参の厚生労働委員会理事らが開いた報告会では、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員が原告団のたたかいに敬意を表し、「次は、残された課題をどうするか、国会議員が問われている。みなさんに知恵をかりながら頑張りたい」とあいさつしました。
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