2008年1月16日(水)「しんぶん赤旗」

生活保護抑制中止を

全生連が全国交流会


 全国生活と健康を守る会連合会は十五日、厚生労働省による生活保護「適正化」の名で生活保護の抑制と排除の中止を求める全国交流会を北九州市内で開きました。百五十六人が参加。二日間の日程です。

 厚労省は二〇〇六年四月から「生活保護行政を適正に運営するための手引」を実施し、これが各地で生活保護の抑制・排除に結びついています。北九州市で相次いで起きた餓死・孤独死にたいする社会的批判の高まりに厚労省は全国の自治体に「申請権の侵害」や「辞退届を強要」をしてはならないと指示。北九州市の生活保護行政も是正されつつありますが、全国では依然、抑制や排除があとをたちません。

 基調報告で辻清二事務局長は、国民生活の土台をなす生活保護(扶助)基準の〇八年度引き下げを厚労省に断念させたたたかいについて言及。八千通を超すはがきを政府に送り保護利用者の実態と怒りを結集し、貧困打開の国民運動に押し上げ、世論に広げて政府・与党を追い詰めたと強調しました。老齢・母子加算の廃止・削減を元に戻す「生存権裁判」での勝利、「適正化」中止を求めていこうと呼びかけました。

 参加者が各地の実態やたたかいを報告しました。「車の保有、稼働能力があるとして申請を拒否。辞退届で廃止。指導指示に従わないとして保護を打ち切る不当な行為を改善させる運動をすすめている」(北海道)、「生活保護の申請用紙を窓口に置くよう県と交渉、『申請書を全市町村に置くよう指導する』と回答を得た。生活と健康を守る会がない自治体では、病気で治療が必要なのに稼働能力があるとして保護の申請を却下するところもある」(青森県)との事例が報告されました。

 「貝塚市では大規模住宅の入居で生活保護世帯、精神障害者世帯を排除するよう府に申し入れたり、ケースワーカーが勝手に生活保護世帯を他市にある府営住宅に申し込み市外に追い払う。住宅扶助費が四千円程度なら自分で出せと指示し、住宅扶助費の一部を出さない自治体もある」(大阪府)などの発言が続きました。

 吉田文弘北九州市協議会議長が北九州市のたたかいを報告。生活保護問題対策全国会議、市職労、市社保協の代表が来賓あいさつ。日本共産党市議も参加しました。

 十六日は北九州市、区役所に請願、交渉、申請行動をします。



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