2008年1月16日(水)「しんぶん赤旗」
サービス残業含め調査
トヨタ過労死の遺族年金
小池氏に厚労省
トヨタ自動車堤工場(愛知県豊田市)の内野健一さん(当時三十歳)の遺族補償年金の算定にあたり、判決が認めたサービス残業時間が除外されている問題で、日本共産党の小池晃参院議員は十五日、厚生労働省に対して判決に従った算定を行うよう要請しました。担当者は、「原告の大臣要請を受け、今、トヨタに調査を行っている」とのべました。
昨年十一月の名古屋地裁判決(国は控訴せず確定)は、サービス残業となっていた「QCサークル活動」などを労働時間とし、亡くなる直前一カ月の残業を約百六時間と認定。しかし、豊田労働基準監督署は、サービス残業を除いた時間外を約四十五時間として算定したため、妻の博子さん(38)や小池議員らが九日、舛添要一厚労相と面会し、是正を要請。舛添大臣は、「調査したい」と答えていました。
小池議員は、判決に従って年金を算定し、遺族に早急に通知するよう要求。労働基準局の担当者は、まずトヨタが払う未払い賃金をみて労働時間を算定するとした当初の対応は取らないとし、「判決の労働時間の取り方を踏まえ、労働時間の精査を行っている。できる限り、すみやかに行いたい」と答えました。
小池議員はまた、判決を踏まえ、トヨタにサービス残業を改めるよう是正勧告を行うべきだと申し入れ。担当者は、トヨタには遺族のほか、他の従業員にも未払い賃金を支払う義務があるとし、「トヨタが判決後、依然として同じ対応をしている限り、必要な指導を行っていく」とのべました。