2008年1月16日(水)「しんぶん赤旗」
シーア・スンニ会派が共同綱領
イラクに最大野党
【カイロ=松本眞志】イラク国民議会のイスラム教シーア、スンニ両派の会派および独立系議員は十三日、イラク国民の統一と石油資源の中央政府による管理を柱とする共同綱領に合意しました。
同綱領の賛同グループは、シーア派与党連合「統一イラク同盟」内のサドル派、世俗派の「イラク国民名簿」、スンニ派の「イラク合意戦線」の三会派。二百七十五議席中、百議席以上を占めています。これらのグループが新会派を構成すれば、マリキ政権を支えるダアワ党、イラク・イスラム最高評議会(SIIC)、クルド愛国同盟、クルド民主党など与党会派(百十議席)に対抗する最大野党勢力となります。
サドル派議員のルバイエ氏は、共同綱領の合意は新会派結成を意味しないとしながらも、「将来の政治危機に対応する事態となれば、新会派を形成することになる」とも語っています。
共同綱領合意グループは声明で、「国益重視、宗派間抗争を克服し統一したイラク、国民的和解の支援」を呼びかけ、石油・ガスなどの天然資源をイラクの国民の財産として、クルド人自治区など地方行政機関が外国資本と石油開発契約を締結することを認めないとの立場を示しました。
声明はまた、イラク治安部隊の訓練の強化を強調し、「法の執行と国防を担う治安部隊の建設が完成すれば、イラクに駐留する占領軍の存在は正当化できなくなる」と述べています。
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