2008年1月16日(水)「しんぶん赤旗」
温暖化に対する党の政策の基本は?
〈問い〉 すでに発表されているかもしれませんが、地球温暖化にたいする日本共産党の対策や政策を教えてください。(神奈川・一読者)
〈答え〉 130をこえる国の3700人以上の研究者・専門家の協力によって、温暖化問題についてのIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告書が昨年、公表されました。
その報告書は、破局的なレベルに達しないように気候変動を抑えるには、工業化以前に比べて2度未満に気温の上昇を抑えることが必要であることを示しています。そのためには、温暖化ガスの排出量を2050年までに50%以下(1990年比)に削減する取り組みが求められ、とくに先進国は60%〜80%という大幅な削減をしなければなりません。
日本は、昨年6月に開かれたドイツでのサミット(先進国首脳会議)で「2050年までに現在よりも温暖化ガスの排出量を半減する」(安倍前首相)といっておきながら、12月にインドネシアのバリ島で開かれた第13回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)では、削減目標について提案をまったくしませんでした。
日本共産党は、気温上昇を2度内に抑えるために、日本が率先して、2020年までに30%、50年には70%削減することを目標に掲げ、それにむけて経済システムや生活スタイルなどを改革して、低エネルギー・低炭素社会へ転換すべきだと提案しています。
京都議定書の目標達成には、排出量の8割を占める企業・公共部門での削減がカギです。ところが政府は、日本経団連の「自主」行動計画まかせのままです。経済界と政府の間で削減協定を締結し、達成責任を公的に裏うちします。
小規模水力、風力、太陽光・熱、地熱、バイオマスなど自然エネルギーの開発・活用を抜本的に進めます。現行のエネルギー課税を見直し、温暖化ガスの排出量を考慮した環境税の導入をすすめます。
商品や施設の省エネ促進とともに、二酸化炭素の排出を増やす長時間営業・労働や、都市再生の名による大規模な高層マンション・建物の建設、郊外店の増加などに歯止めをかけ、生活スタイルや経済活動の改善を図ります。
政府と電力会社は、温暖化対策を原発の新増設にたよっています。しかし、原発は技術的に未確立であり、耐震性を含む安全性や、事故隠し・データねつ造、放射性廃棄物の処理など大きな危険を抱えています。原発から計画的・段階的に撤退すべきです。
よりくわしくは、参院選挙政策の各分野政策「環境」「エネルギー」の項を党のホームページでご覧ください。(洋)
〔2008・1・16(水)〕