2008年1月18日(金)「しんぶん赤旗」
運動の結晶 15本
厚労関係 請願採択2倍に
出産・子育て要求強く
先の第百六十八臨時国会(十五日閉幕)の衆院本会議で採択された厚生労働関係の請願(別項)は、一昨年の臨時国会の二倍以上の十五本となり、話題になっています。その多くが出産や子育てなど国民の切実な要求と運動を反映したものです。
二〇〇六年の第百六十五臨時国会の厚生労働関係で採択された請願は六本で、〇七年の第百六十六通常国会で同関係で採択された請願は十二本。今回の臨時国会が、いかに多いかがわかります。
採択された請願の中には「安全で快適な妊娠・出産・子育て環境に関する請願」「身近な地域での安心して産める場所の確保に関する請願」「身近な地域で安心して出産ができる助産所の存続を求めることに関する請願」があります。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員(厚労委員)は、「出産・子育て環境関係の請願が三本も採択されたのが特徴です」と言います。
昨年、救急車で運ぶ患者の搬送先が見つからず死産したり、妊婦が死亡するなどの痛ましい事件がありました。昨年四月には、助産院は嘱託医師と嘱託医療機関を確保しないと開業できなくなりました。この問題をめぐって関係者が撤回を求める運動を起こし、日本共産党も高橋議員や小池晃参院議員が質問し、請願にも付き添いました。
また白血病などに有効な治療法である骨髄移植で患者負担の軽減を求める「非血縁者間骨髄移植に係る医療保険の適用範囲拡大を求めることに関する請願」も採択されました。この問題では、昨年十二月に小池議員をはじめ超党派の議員で同請願を参院議長に提出していました。
高橋議員は、「請願の採択は、明らかに、この間の運動の反映です。委員会でもかなり質疑されてきたことがふまえられていると思います」と語りました。
先の臨時国会衆院本会議で採択された厚労関係の請願
○児童扶養手当の減額を最小限にすることに関する請願
○大都市東京における特別養護老人ホームを始めとする介護保険施設の介護人材確保に関する請願
○安全で快適な妊娠・出産・子育て環境に関する請願
○身近な地域での安心して産める場所の確保に関する請願
○身近な地域で安心して出産ができる助産所の存続を求めることに関する請願
○安心で行き届いた医療に関する請願
○障害者の自立支援法の抜本的な見直しを求めることに関する請願
○非血縁者間骨髄移植に係る医療保険の適用範囲拡大を求めることに関する請願
○緊急の保育課題への対応と、認可保育制度の充実に関する請願
○保育・学童保育・子育て支援施策の拡充等に関する請願
○保育制度の改善と充実に関する請願
○年金・医療・介護等の社会保障制度充実に関する請願
○化学物質による健康被害に関する請願
○新・腎疾患対策の早期確立に関する請願
○一酸化炭素中毒患者に係る特別対策事業を委託する新病院に関する確認書早期履行を求めることに関する請願