2008年1月20日(日)「しんぶん赤旗」

米、16兆円景気対策

消費刺激へ減税が柱


 【ワシントン=西村央】ブッシュ米政権は十八日、低迷する消費への刺激策として、総額で千四百億―千五百億ドル(約十五兆―十六兆円)の緊急経済対策を実施すると発表しました。所得税減税と法人税減税が中心。サブプライムローン(低所得者向け住宅融資)問題で景気後退の懸念が高まっていることを受けての措置です。

 ブッシュ大統領は記者会見で、景気の停滞が続く恐れがあると述べ、「住宅市場と金融市場で不安定な状況が続けば米経済にさらに打撃を与え、成長と雇用創出に深刻な危険をもたらしかねない」と危機感を表明。緊急な景気刺激策が必要だとし、企業投資と消費支出の増大が二つのかぎだと述べました。

 会見に同席したポールソン財務長官は具体例として、納税者一人当たり八百ドルに相当する税金還付をあげました。

 ホワイトハウスのラジアー経済諮問委員会委員長は、消費支出は国内総生産(GDP)の約七割に相当するとし、二〇〇一年、〇三年に続く減税に踏み切ったと説明しました。〇三年の減税額は納税者一人当たり約三百ドルでしたが、今回は二倍以上の規模となります。

 一方、追加金融緩和の方針をすでに示している米連邦準備制度理事会(FRB)は二十九―三十日の連邦公開市場委員会で少なくとも0・5%の利下げに踏み切るとみられています。


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