2008年1月21日(月)「しんぶん赤旗」
2008 米大統領選
「経済」が最大の関心
景気刺激策競う各候補
【ワシントン=鎌塚由美】米国経済の先行きに国民的懸念が高まるなか、次期大統領選びでは「経済問題」への関心が一位になっています。大統領候補指名争いを繰り広げる共和、民主の各候補は、経済政策のアピールに重点を移し、景気刺激策を競っています。
低迷する消費への刺激策としてブッシュ大統領は十八日、総額千四百億―千五百億ドル(約十五兆―十六兆円)減税を柱とする緊急経済対策を打ち出しました。米議会・民主党もすでに、一千億ドル程度の減税と失業者・貧困層対策を組み合わせるように提案しています。
十九日に行われた南部サウスカロライナ州の予備選を制した共和党のマケイン候補は、投票日の二日前に経済刺激策を打ち出しました。景気対策として、恒久減税と25―35%の法人税減税を提案し、「第一に取るべき措置は歳出抑制だ」と強調。ブッシュ大統領が示した減税策については検討すると表明する一方、「ばらまき」には懐疑的な見方も示しました。
ネバダ州の党員集会で勝利したロムニー前マサチューセッツ州知事は、総額二千三百三十億ドルの恒久減税を中心にすえた景気刺激策を打ち出しています。同氏もまた20―35%の法人税減税を提案し、経済界にアピール。
ハッカビー前アーカンソー州知事は、軍事費と公共インフラ分野での歳出拡大を約束。ブッシュ大統領がこれまでに打ち出した減税策を「維持し、拡大」することも公約しました。
一方、民主党側も、ネバダ州の党員集会を前に労働者や低所得者層を意識した景気対策でアピールしています。
クリントン上院議員は十一日、七百億ドルの景気刺激策を提案。低・中所得者を対象にした燃料高騰への対策などに四百億ドルを、サブプライムローン(低所得者向け住宅融資)問題に三百億ドルを充てると表明しました。
オバマ上院議員は、景気対策として労働者一人当たり最大五百ドルの戻し税を含む、七百五十億ドルの刺激策を提案。そのほか、失業保険の拡大なども打ち出しました。