2008年1月22日(火)「しんぶん赤旗」

米住宅供給、過去16年最悪

景気減退の懸念さらに


 【ワシントン=西村央】米国で景気減速への懸念が広がり、十一月の大統領選挙に向けてもその対策が争点になっているなか、さらに減速を示す指標が出されています。ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版は二十日、昨年十二月の住宅供給件数が過去十六年間で最低になったと報じました。

 同紙によると、同月の供給件数は百万六千件で一九九一年五月以来の低い水準。低所得者向け住宅融資であるサブプライムローン市場で発生した不動産金融の混乱を背景に、融資の担保となる抵当価格が急落していることを不動産業者の証言をもとに示しています。

 そのうえでエコノミストの懸念として、「経済成長への住宅供給の貢献は期待できない。二〇〇七年の第四・四半期だけではなく、今年の第一・四半期も同様だ」との見方をあげています。

 ブッシュ大統領は十九日のラジオ演説で、企業の設備投資と個人消費の拡大が経済成長のカギだと述べました。サブプライムローンに派生する金融混乱には、まったく触れていません。

 ニューヨーク・タイムズ十八日付は経済面で「一月、惨たんたるスタートを予感」と題する記事を掲載。証券大手のメリルリンチがサブプライムローンに関連した追加損失を計上した結果、昨年の第四・四半期で九十八億三千万ドル(約一兆四百億円)の損失を計上し、これが株価の大幅下落につながっていると伝えました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp