2008年1月24日(木)「しんぶん赤旗」
参院本会議 市田書記局長が代表質問
経済のゆがみ・医療崩壊 打開へ
命守る政治に転換を
CO2削減 経団連任せにするな
日本共産党の市田忠義書記局長は23日、参院本会議で代表質問に立ち、国民生活と経済を再建する道すじを示して首相の見解をただすとともに、深刻な医療崩壊、地球温暖化に対する実効ある対策を迫りました。
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「シャッター通りどころか焼け野原だ」。市田氏は、町場であふれる怨嗟(えんさ)の声を正面から首相にぶつけ、大企業・大金持ち本位、輸出頼みの経済政策を国民本位に転換するよう強く求めました。
市田氏は、そのための方策として(1)政府の決断でただちに国民の懐をあたためること(2)大量の非正規雇用を生み出した労働法制の規制緩和の見直し(3)最低賃金の引き上げ(4)中小企業の支援―の四点を提起。高すぎる国保料の引き下げや、お年寄りに差別医療と新たな負担を強いる後期高齢者医療制度の撤回、社会保障費二千二百億円の削減路線の中止など、従来の路線の転換を強く求めました。
また、派遣最大手の「グッドウィル」が違法派遣を繰り返し事業停止処分を受けた問題では、「何ら責任のない青年たちが路頭に迷うことは絶対にあってはならない」と、政府が雇用の確保に力を尽くすよう要求。原油高に苦しむ中小企業への緊急対策にも力を尽くすよう求めました。
福田首相は「足元で賃金が伸びず、家計への波及が遅れている」と認めながら、最低賃金の引き上げなど具体的な提案については、「かえって雇用が失われる」などと拒否する姿勢を示しました。
市田氏は、政府が医師の養成数を減らし、公立病院の縮小・統廃合を大規模にすすめる「医療崩壊」の実態を告発。道路特定財源を維持する理由として、政府が「救急病院への交通の利便性確保」を持ち出していることについて、「病院の閉鎖を余儀なくさせておいて、道路で病院を結ぼうというほど本末転倒の政策はない」と批判すると、議場からは「その通りだ」の掛け声と大きな拍手が起こりました。市田氏は、抜本的な医師増員とともに、国と自治体が地域医療を守る先頭に立つよう求めました。
さらに市田氏は、地球温暖化対策の最大の問題として、日本のCO2排出量の八割を占める企業・公共部門に対し、政府が日本経団連の自主行動計画まかせにしていることを指摘。「政府と経済界との間で削減協定を結ぶなど、企業に社会的責任を果たさせるルールを確立することが必要だ」と首相の見解を求めました。
福田首相は、「産業界のさらなる努力を促す」と述べるだけで、削減協定を結ぶことは「現時点では考えていない」と答えました。
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