2008年1月24日(木)「しんぶん赤旗」

特別便は「効果ない」

公明党の「自己」否定


 「再度、『(ねんきん)特別便』を送付しても、あまり効果は望めない」。二十三日の公明党・浜四津敏子代表代行の参院代表質問に議場からざわめきが起こりました。

 昨年の参院選第一声で「特別便」の実施について、「これは公明党が大きな推進力となった」と胸を張っていたのが、ほかならぬ公明党の太田昭宏代表だったからです。

 同党は、「年金記録問題の解決のエンジン役」を自称してもきました。

 「ねんきん特別便」は、五千万件にのぼる「宙に浮いた年金記録」問題の対策として政府が決定し、昨年十二月から順次発送されています。

 しかし、「特別便」には、加入履歴の記憶を喚起する記録がいっさい記載されていません。このため、「訂正なし」と回答した人を対象に社会保険庁が改めて電話で照会したところ四割強で記録漏れが発覚。舛添要一厚労相は二十二日、「特別便」の内容を改め、送り直す方針を表明しています。

 日本共産党は年金記録問題が発覚した当初から、年金保険料の納付記録をすべての受給者、加入者に通知する「一億人レター作戦」を提唱し、加入期間や事業所の所在地など、国民に最大限の情報を伝えることを求めてきました。政府もそれを認めざるを得なくなったのです。

 浜四津氏はこれまでの「特別便」の中身の問題点には一切ふれず、「特別便」は効果が薄いと、過去の自らの“実績”をいとも簡単に消し去ってしまったのです。

 同氏は「自己」否定に続けて、今度は「電話や訪問」による対応を迫りました。問題のまともな検証抜きに新対策を打ち出しても、効果は望み薄です。



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