2008年1月28日(月)「しんぶん赤旗」
ALBA銀行設立へ
中南米5カ国首脳会議閉幕
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【メキシコ市=松島良尚】ベネズエラの首都カラカスで開かれていた「米州ボリバル代替構想(ALBA)」の第六回首脳会議は二十六日、政治宣言などを採択して閉幕しました。会議ではALBA銀行設立が合意されました。
ALBAは米主導の米州自由貿易地域構想に対抗して二〇〇四年に生まれた協力と連帯、補完を原則とする地域統合構想。今回の首脳会議でカリブ海のドミニカの加盟が承認され、キューバ、ニカラグア、ベネズエラ、ボリビアとあわせ五加盟国になりました。
国営ベネズエラ通信などによれば、政治宣言は、ブッシュ米政権の好戦的姿勢や中南米の左派政権に対する攻撃を非難。また、サブプライム問題に端を発した米国の経済悪化を指摘しています。
ALBA銀行は、資本主義にもとづく国際金融機関に代わるものと位置づけられ、地域統合推進と加盟国の経済、社会発展を目的とします。約十億ドルの資本で二カ月以内に設立される予定です。
加盟国共同で「エネルギー大公社」を設立することも確認されました。石油の試掘、採掘や精製、共同備蓄などを行います。
ベネズエラのチャベス大統領は閉会演説で、排除と貧困に対するたたかいと団結を呼びかけ、「ALBAは、資本主義が生み出す不平等のもとに一人の子どもも放置しないように、大きな努力をしなければならない」と強調。「社会主義によってのみ平等な社会を構築できる」と述べました。