2008年1月29日(火)「しんぶん赤旗」
後期高齢者医療
長生き喜べぬ差別制度
衆院予算委 高橋議員が中止求める
二〇〇七年度補正予算案の審議が二十八日、衆院予算委員会で行われました。日本共産党の高橋千鶴子議員は、七十五歳以上を対象に世界に例のないほど差別的な後期高齢者医療制度(四月実施予定)の問題点を、高齢者の心からの叫びをつきつけ、追及しました。
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「長生きは喜んでいいことですか」。冒頭、高橋氏の質問に、福田康夫首相は「年をとってもよかったと実感できる社会に」と答えました。
しかし、与党が二〇〇六年に強行した医療改悪によって、療養病床は一二年までに二十三万床が削減され、長期入院のお年寄りが追い出されようとしています。そのうえ政府は、後期高齢者医療制度で医療内容の差別をもちこもうとしています。そのなかで、検討されているのは、終末期医療の充実を名目に、在宅での「みとり」をする医師や看護体制に高い診療報酬をつけるとの方針です。
高橋氏は、青森県保険医協会が六十歳以上を対象におこなったアンケートで、日常生活が困難な状態で退院をすすめられた場合に、六割以上が病院などでの治療を希望していることを提示(グラフ)。「病院からの無理な追い出しはしないと約束できるか」と重ねて迫ったのに対し、舛添要一厚労相は、あいまいな答弁に終始しました。高橋氏はさらに、後期高齢者医療制度により月々の保険料が年金から天引きされる問題を追及しました。年収百万円未満の高齢者世帯の78・4%で収入が年金に限られていることを指摘しつつ、「後期高齢者医療制度では(年金額月)一万六千円の人からも保険料を天引きする。あまりにもひどすぎないか」とただしました。
また、後期高齢者医療制度の中止などを求める自治体決議が十月の二百三十九から、二カ月で四百八十七自治体に倍増していることを上げ、「政府・与党の一部凍結ではどうにもならない。きっぱりと中止すべきだ」と強く求めました。
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