2008年1月30日(水)「しんぶん赤旗」

教科書検定

撤回拒む国に抗議

沖縄県民大会実委が集会


 来年度から使用される高校日本史教科書が、文科省の再訂正指示によって沖縄戦「集団自決」(強制集団死)の日本軍の強制記述がゆがめられた問題で、「6・9沖縄県民大会実行委員会」は二十八日夜、那覇市教育福祉会館で抗議の集会を開きました。

 沖縄県民の総意である「検定意見の撤回と日本軍の強制記述の回復」を拒否した文科省の姿勢に強く抗議するアピール文を採択。「私たちが声を上げ続けて証言者の思いに応えていこう」「頑張れば『厚い壁』を打ち破れる」と、雨のなか集まった約百五十人の参加者は最後までたたかい抜く決意を固め合いました。

 高嶋伸欣同実行委員共同代表と歴史教育をすすめる会事務局長の山口剛史琉球大学准教授が、それぞれ報告しました。

 高嶋氏は、筆者と教科書会社が文科省の検定調査官によって四回も再申請を余儀なくされた例を紹介し、「検定に際して文科省のつける意見は基準が曖昧(あいまい)で恣意(しい)的・便宜的だ」と指摘。文科省が検定規則を拡大解釈し、審議会でなく検定官レベルで処理されている検定制度の問題を厳しく批判しました。

 「今年秋の訂正申請に向け繰り返し声を上げ、日本社会に主権在民が十分定着してきていることを全国の人に、沖縄が先頭に立って示せる機会だ」と述べると会場からは大きな拍手が起こりました。山口氏は、昨年十二月四日の文科省の「指針」によって教科書会社と執筆者に書き方の指示をし、文科省の意図通りに事実がゆがめられたことが「一番の問題だ」と批判しました。



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