2008年1月30日(水)「しんぶん赤旗」
英首相、投機行為を批判
“世界経済 最大の試練”
【ロンドン=岡崎衆史】ブラウン英首相は、国際金融問題に関して二十五日付の英紙フィナンシャル・タイムズに寄稿し、投機行為を批判するとともに、経済・金融安定化に向けた改革を提唱しました。
首相は、米国の低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)の破たんが引き起こした金融市場の混乱を念頭に、世界経済が「過去十年余で最大の試練」に直面していることが世界の政治経済指導者の共通の認識になっていると指摘。その要因をつくりだした投資家の無責任な投機行為について「より高い見返りを求め、投資家は多くの市場、とりわけ複雑なデリバティブ(金融派生商品)で危険を過小評価してきた」と批判しました。
その上で、改革に向けた指針を提案。まず透明性の欠如がリスクの過小評価につながったとして投資の情報開示の重要性を強調しました。
首相は金融市場の国際的・国内的規制の強化が必要だとし、特に国際的枠組みとして、国際通貨基金(IMF)に各国の中央銀行のような独立した権限を与え、国際経済監視の役割を果たさせるよう求めました。さらに、金融政策支援で、財政政策が正しい役割を果たすよう保証しなければならないとしました。
経済政策上の保護主義を採用しようとする動きについては、「景気下降がさらに悪化する」として退けました。