2008年2月2日(土)「しんぶん赤旗」
「中国製ギョーザ薬物中毒事件」での申し入れ
共産党国会議員団
日本共産党国会議員団が一日、福田康夫首相に対して行った「中国製ギョーザ薬物中毒事件への対応と輸入食品検査体制の抜本的強化に関する申し入れ」の全文は次の通りです。
一月三十日に発覚した中国製ギョーザ薬物中毒事件は、被害者が依然重体の状況におかれているだけでなく、被害を申告する人が全国に広がり、申告数は約五百人にも及び、近来まれに見る輸入食品を起因とする全国的な薬物中毒事件になろうとしている。
それだけに、この事件に対する徹底的な原因の究明と被害者救済、そして事件を防ぎ得なかった行政上の不備の解明とそれに基づく国の食の安全・安心体制の再確立がどうしても必要である。
今回の事件は、国民に食の安全に対するショックを与え、国民は、一体何を信じて食べたらいいのかと途方に暮れる状態になっている。その背景には、日本の食料自給率が39%と、六割以上の食料を輸入に依存している一方、食品衛生法に基づく国の輸入食品の検査率がわずか一割という、輸入食品検査体制の驚くべき貧弱さがある。今回のような輸入加工食品についても、残留農薬一律基準〇・〇一ppmが適用されるにもかかわらず、全く検査をされていなかった。国民の食の安心・安全に対する信頼性を回復するには、輸入食品検査体制の抜本的強化に着手しなければならないことは明らかである。
ついては、左記の通り申し入れる。
記
一、政府の責任で、全国の消費者への情報提供を徹底させるなど、新たな被害の防止に全力を挙げること。
一、全国の被害状況の早急な調査と被害者に対する医療対応を適切に行うこと。
一、中国政府との協力と連携により原因の究明を早急に行うとともに、中国政府に再発防止策を要請すること。
一、今回の被害の拡大を防ぎ得なかった行政上の不備を徹底的に解明するとともに、食品安全監視体制を再確立すること。
一、輸入食品の検査体制を抜本的に強化するために、検査率を現在の10%から50%以上に引き上げること。そしてそれを担保できるように食品衛生監視員を現行の三百三十四人から飛躍的に抜本増員すること。そして、そのための増員計画を明らかにすること。
一、政府が行っているモニタリング検査を検査結果が出るまでは、輸入を留め置く、食品検疫にふさわしい行政検査にすること。
一、輸入加工食品についても、残留農薬基準が適用されている以上、残留農薬検査を実施すること。