2008年2月4日(月)「しんぶん赤旗」

暫定税率「修正」視野に

自民・民主 接点を模索


 ガソリン税などの暫定税率を十年間維持する租税特措法改定案をめぐって自民、民主両党内から妥協を探る発言が出ています。衆参両院議長のあっせんに基づく与野党合意(一月三十日)で「各党間で合意が得られたものについては修正する」とした内容をとらえての接点づくりです。

撤廃掲げるが

 「全然変わっていない。廃止のために最大限努力する」。民主党の輿石東参院議員会長は一月三十一日の記者会見で、暫定税率撤廃の方針に変わりがない姿勢を示すことで、与党側の動きをけん制しました。

 しかし、同党内からは議長あっせんを契機に「一歩もお互いに引き下がらないで交渉の余地がない方向になるのか、一定の修正が得られて両方が理解する方向が出てくるのか(の議論)が今後出てくる」(鳩山由紀夫幹事長、一日の記者会見)と租税特措法改定案の「修正」を視野に入れた発言が出始めました。

 具体案として浮上するのが、暫定税率十年延長の期間短縮や税率引き下げなどです。

 福田康夫首相は暫定税率について「十年(維持)が地方分権と矛盾するのは確かにそうだ」(一月三十一日の参院予算委員会)と期間短縮の可能性を示唆。民主党の菅直人代表代行は二日の民放番組で「今はゼロか百かでやっているが、これからは九十九から一の話になるかもしれない。十年間をやめて一日間(短縮)とすることも修正だ」と述べ、暫定税率撤廃にこだわらない考えを示しました。

 野党が多数を占める参院で法案を否決しても、与党が衆院で三分の二の多数で再議決する姿勢をみせるなか、「いかにソフトランディング(軟着陸)をはかるか」(同党関係者)があります。

 民主党執行部は二日、地方県連の政策担当者を集めた会議で、改めて道路特定財源の一般財源化や暫定税率撤廃の方針を説明しましたが、出席者から代替財源の確保策の分かりやすい説明を求める意見が相次ぎました。

協議促す発言

 自民党内からは「議長あっせんの『修正』という文字がキーワードだ」(山崎拓前副総裁、一日)、「野党が主張する道路財源の一般財源化や環境税もタブー視することなく議論したらいい」(中川秀直元幹事長、一月三十一日の町村派総会)と特定財源問題で民主党との協議を促す発言が出ています。

 暫定税率十年維持を強く求める党内道路族の反発を踏まえ、伊吹文明幹事長は「政府原案が最善との前提で出している。党内ではもはや議論の段階はすぎている」(一日の記者会見)と中川氏らの発言を抑えますが、「各党合意があれば修正をすればいい」(一月三十一日の伊吹派総会)という立場です。



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