2008年2月10日(日)「しんぶん赤旗」
不発弾・地雷2500万発
農地使えず、石油事業に打撃
イラク
【カイロ=松本眞志】イラクのオスマン環境相は六日、首都バグダッドでの会見で、約二千九百万人の人口を抱えるイラク国内に、不発弾や地雷二千五百万発が残存していると述べました。汎アラブ紙アッシャルク・アルアウサト七日付が報じました。
オスマン氏は、旧フセイン政権時代、米軍のイラク侵略とその後の軍事作戦期間を含め、国内に存在する不発弾や地雷二千五百万発が、同国での農業や石油採掘事業に深刻な影響を与えていると説明。「肥よくな農地数百平方キロが被害を受けている」と語りました。
また人的被害について同氏は、イラク戦争開始(二〇〇三年三月)からの約五年間で「イラク全土で不発弾による犠牲者は数百人にのぼっている」と述べています。
駐イラク国連代表のデビッド・ベラ氏は、南部のバスラで五百十八平方キロの農地が使用不能になっていると指摘。イラク全土十八州のうち十三州で不発弾・地雷が敷設されているとの調査結果を報告しました。イラク政府のアルダバグ報道官も、全土で四千以上の不発弾・地雷敷設地域があると明らかにしています。
オスマン氏らは、問題解決のための国家プロジェクトの必要を強調。国連や市民によるボランティアの協力も得ながら、全国民に向けた注意の喚起、被害者救済などの措置をとり、今後十年をめどに不発弾・地雷を除去すると宣言しました。
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