2008年2月15日(金)「しんぶん赤旗」
志位質問 反響やまず
使い捨て派遣労働の無法を追及
ネット上で大きな話題に
貧困と格差の広がりの背景にある雇用問題、とりわけ人間をモノのように使い捨てにする派遣労働の問題を取り上げ、大きな反響をよんだ、日本共産党・志位和夫委員長の質問(八日、衆院予算委員会)から一週間がたちます。新聞やテレビなど、一般のマスメディアがほとんどとりあげなかったのに、質問への反響、激励はあとをたちません。テレビ中継を見たり、「しんぶん赤旗」の報道を読んだ人たちを通して話題になっているほか、インターネット上で広がりつつあるのが特徴です。大反響から何が見えてくるのか―。
“地獄の日々、私も”
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志位委員長は質問で、派遣労働の深刻な実態をキヤノンなどの労働者からの聞き取りによる具体的な事実をあげて告発するとともに、労働者派遣法が労働者を守らず、悪質な派遣元、派遣先企業を保護する法律になっていることを浮き彫りにしました。そして、「労働者派遣法を“労働者保護法”へと抜本的に改正すべきだ」と迫りました。
党本部への反響で大きかったのは、深刻な実態の告発への共感であり、自らの体験に基づいた実態の告発でした。
以前、キヤノンの電子工場で派遣社員として働いていた人からは「将来が見えず、不安で仕方ありません。世の中こんなもんだと絶望していましたが、志位さんの質問を見て、一筋の光が見えた気がします」というメールが寄せられました(九日)。「ライン主任を任されていましたが、私以外全員外国人でした。深夜の残業は当たり前、毎週のように休日出勤です。『代わりはいくらでもいる!』これがキヤノンの口癖です。あるとき私のラインの人が流産しましたが、次の日には仕事に来ていました。休んだらもう仕事がないですから」
「志位委員長さんの発言に涙が出ました。私たち派遣労働者は、不安定な雇用と低賃金、長時間労働の毎日に疲れ果てています。明日の希望など全く抱けません。地獄です。こんな実態を的確に代弁下さり、捨てられたような運命に落胆していましたが、エネルギーがわいてきました」(メール、九日)
「私自身も朝九時から夜九時とか、朝七時半から夜十時などという過酷な勤務を強いられています。将来に希望などありません」(埼玉県の人からのメール、十二日)
“日本社会の大問題”
この問題が、派遣労働者だけの問題ではなく、日本社会全体のあり方の問題だととらえた声も数多く寄せられました。
「私は経営に携わっているが、キヤノンのようなやり方が普通になると、すべての企業がだめになる。経営者であっても、社会的秩序は必要だと思う」(長野県の男性、電話、八日)
「若い人が二―三年勤めても、このような勤め方ではキャリアアップできないことが不安だ。私は経営に携わっており、御党とは立場を異にしているが、志位さんの質問の問題意識にそのことがうかがえた」(東京都の男性、電話、八日)
「私の勤めていた有名な大企業でも、正社員の減少、派遣、請負の増加と、労働者の権利が守られておりません。管理職の間でも、このようなことでよいのかと疑問をもつ人が大勢います」(メール、十二日)
「『まったくそのとおりだ』と声をはりあげてしまうほど共感しました。派遣労働という極めて劣悪で差別的な労働形態が、日本の社会全体をゆがめるものになっている実態に鋭く迫った質問に大いに勇気づけられました」(大分県の六十七歳の男性、メール、九日)
「志位さんの質問は社会の底辺で苦しむ労働者の叫びであり、社会の明日への扉を開こうとする力強いノックです」(富山県の六十三歳の男性、メール、十二日)
“共産党ならではだ”
「企業献金をもらっていない共産党だからこそできる追及だ」(男性)など、大企業の横暴勝手に何の気兼ねもなく正面から立ち向かえる日本共産党ならではの質問だとの声も相次いでいます。
「世界一のキヤノンのひどい労働実態を明らかにしたのには驚きました。共産党でなければ、こういう不正は暴露できませんね」(飲食店勤務の女性、電話、八日)
「痛快でした。経団連会長御手洗氏のキヤノンの実態を暴き、調査を約束させた。日本共産党しかできない質問ですね」(京都府の六十歳の男性、電話、九日)
「他の党とちがい、迫力ある的を射たものでした。現場の声をよくつかんで、説得力があり、さすが共産党と思いました」(宮崎県の男性、電話、十日)
「こんなに日本の将来を心配して政府に答弁を求める人がおられるとは知りませんでした。志位委員長さんがその実態をつぶさに調査されて、熱意をもって政府に答弁を迫る迫力は、おそらく衆院議員の中でも筆頭ではないかと感激しました」(メール、十二日)
「すばらしい質問でした。共産党のポリシーにすべて賛同できるわけではありませんが、二大政党を選べと言われたら『自民、民主』ではなく『自民、共産』だと思っています」(メール、十三日)
◆ランク1位も
「ありがとう! 応援するぜ!」「わかりやすい」
インターネット上のある動画サイトでは、志位委員長の八日の質問が、「本日(十四日)の政治分野の動画ランキング」第一位。質問を見た人が感想をサイト上に次々と書き込み、四千七百以上になっています。
「…これが厚労相の答弁? ありえないだろ」「キヤノンてこんな会社だったのか…」など、画面を見つめる人の息遣いが聞こえてくるようです。
志位質問は五十分間という長さ。それでも「最後まで見てしまった」「論理的だったしよかったよ」と、真夜中にサイトを見た人からの感想もありました。
目立つのが共産党に対する期待です。「共産GJ(グッドジョブ)過ぎる」「党名なんて関係ないね。C(志位委員長)応援する!」など、質問から一週間たった今も、感想は増え続けています。
◆ブログで続々
インターネット上の個人の日記(ブログ)でも、志位委員長の質問を見た人の感想がさまざまに書き込まれています。
車中、ラジオで質問を聞いていたという新潟県の男性は「おもわず、車を止めて目的地への時刻も引きのばして、聞き入っていた」。
昨年十一月からキヤノンで派遣として働き、一月の中旬に突然解雇された男性のブログでは、「寮費その他抜かれて給料は十万前後」「いきなり今週で解雇するといわれた」と自らの経験を語っています。
また、「僕個人としては、共産党と思想的に相容れることはない」という人のブログには、「日本の内政問題(格差問題)に関しては、『なんとかしたい』という思いは一緒」「共産党を応援するのは嫌です。それでも、日本のためであるのなら、共産党に『がんばれ』とエールを送りたい」と書かれています。
動画で見られます
志位委員長の質問はインターネットの動画サイトでも視聴できます。日本共産党の動画サイト・JCPムービーは日本共産党のホームページにあります(URL=http://www.jcp.or.jp/movie/news_mov/20080209/index.html)。
日本共産党は、インターネット動画共有サイト「YouTube」(ユーチューブ)に「JCPmovie」チャンネルを開設しています。同サイトでは、全質問51分とともに、論戦のハイライト7本(3―7分)を視聴できます(URL=http://jp.youtube.com/jcpmovie)。
「赤旗」号外発行 パンフも
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日本共産党は、志位委員長の質問の全文を、グラフや表もふくめて掲載した「しんぶん赤旗」号外(タブロイド判八ページ、カラー=写真)を近く発行します。大企業の職場門前などでの宣伝行動や各団体への申し入れへの積極的活用を呼びかけています。これとは別に、全文掲載のパンフレットを作成します。
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