2008年2月16日(土)「しんぶん赤旗」
輸入エサ高 経営限界
“政府は特別対策急げ”
JA全中が危機突破集会
輸入のエサの高騰のなかJA全中(全国農協中央会)は十五日、東京都内で畜産・酪農の経営危機を突破しようと全国代表者集会を開き、約千人が政府・与党に対策を求めました。全中の宮田勇会長は、生き物を相手にする畜産・酪農家が生活を切り詰めても高いエサを与えざるをえないとのべ、「生産者の努力は限界だ。離農がとまらず、国産の畜産物を安定的に提供できなくなる」と指摘。価格転嫁への消費者の理解とともに生産が維持できる経営・所得安定対策を求めました。
現場からの訴えでは、三人の酪農、肉牛生産農家が「どのくらいの仲間を失うかわからない」と危機感を表明。酪農をする北海道釧路丹頂農協の瀧沢義一組合長は、「安全・安心な乳製品を提供することにプライドをもってやってきたが、もう限界だ。いま政治の力が必要だ」と訴えました。
政府・与党への要請として、「エサ高は一過性では終わらない」として、配合飼料価格安定制度の充実、バター・チーズなど加工用乳価の政府助成価格引き上げ、経営が悪化している肉牛や養豚農家への特別補てん対策を求めました。
二〇〇八年度の畜産・酪農の行政価格や関連対策は例年三月に決めることになっています。農民連(農民運動全国連合会)など生産者団体が危機打開の早急な対応を求め、今月二十一日に早めて決めることになりました。日本共産党の紙智子参院議員(農水委員)も「現場の実態をみて抜本的な対策をとるべきだ」と国会質問や農水省交渉で求めてきたものです。
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