2008年2月18日(月)「しんぶん赤旗」

民主へ誘いかけ強める

派兵恒久法で自民


 自衛隊の海外派兵をいつでも可能にし、海外での武力行使に道を開く恒久法の検討を始めた自民党が、民主党への誘いかけを強めています。

 恒久法を検討する自民党の合同部会の初会合(十三日)後、事務局長役の中谷元・元防衛庁長官は、民主党の鉢呂吉雄・衆院テロ特委民主党筆頭理事に電話して、同党からの意見聴取を持ちかけました。

 公明党を含む与党としての考え方はおろか、自民党としての考え方も明確になる前に、民主党に協議を申し入れるというのは異例の対応です。

 これに対し鉢呂氏は十四日朝、国会内で開かれた民主党外交部門会議の席上、与党が新テロ特措法の衆院再議決を強行した総括が明確にならない限り、恒久法での話し合いには応じられないとして、協議を断ったと述べました。

 しかし、すでに自民党と民主党には大きな接点があります。昨年十一月の福田康夫首相と民主党の小沢一郎代表との大連立協議では、両氏が恒久法制定の方向で突っ込んだ話し合いをおこないました。

 民主党が臨時国会会期末に国会に提出し、恒久法の「早期整備」を明記した「アフガン復興支援特措法案」を、自民党はあえて「継続審議」としました。

 自民党の合同部会幹部は「(衆院での)予算審議のメドがついたら野党と話したい」、「継続審議となっている民主案についてもいろいろ聞いてみたい。民主党にも恒久法が必要だという人はたくさんいる」とのべ、衆院テロ特別委を舞台に恒久法論議をくり広げたい意向を示しています。

 合同部会幹部が「新テロ特措法の期限となる来年一月十七日までに何とかする」というように、自民党は秋の臨時国会中にも恒久法の成立を目指すことを狙っています。そのためにも、民主党との協議が不可欠だという認識の現れです。


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