2008年2月21日(木)「しんぶん赤旗」
注意義務、回避義務怠ったイージス艦に重大な責任
志位委員長会見
日本共産党の志位和夫委員長は二十日、千葉県の新勝浦市漁協川津支所を訪問した後、記者団に次のようにのべました。
一、事故の詳細を(漁協関係者、僚船「金平丸」船長から)うかがった。イージス艦の側に、注意義務をおこたり、回避義務を果たさなかった重大な責任があることは非常に明瞭(めいりょう)であり、強く抗議したい。
一、いま地元の漁船も総出で捜索と救助にあたっており、一刻も早い発見と救出を願っている。徹底した真相の究明、そして責任の所在の究明がどうしても必要だ。
一、現場海域が日常的に過密な海になっていることがわかった。漁に一番適しているのは日の出ごろの時間帯で、そこにむけて漁船が出港してゆくが、この時間帯は外洋から船が戻ってくる時間帯にあたる。一番危険な海域と時間帯に、イージス艦が当然の注意義務を果たさなかったのは、重大な怠慢だ。
一、海のルールでは、右舷に船を見つけた場合に、その船に回避義務がある。しかし、話を聞くと、大きな軍艦などは、はっきりいえば「そこのけそこのけ軍艦が通る」という行動をとる。結局、小さい漁船は回避の義務がなくても常に回避行動を取らざるを得ないのが日常の実態だ。房総の海が、こういう無法の海になっているというのは、本当に異常なことだ。しかも国民の命と安全を守るべき自衛隊の艦船がルールを守っていないというのは、非常に重大だ。防衛大臣の責任は当然厳しく追及していく。
一、事故にかかわるたいへん重大な事実を金平丸の船長から聞いた。しかし、海上保安庁の事情聴取の途上なので、私から中途で明らかにするのは差し控えたい。
一、根本から考えると、東京湾の入り口に横須賀港という軍港をおいたままでいいのかという問題を真剣に考えるべきだと思う。なかでも一番の問題は、この軍港が米海軍の空母の母港になっているということだ。しかも今年から通常型空母から原子力空母に置き換えられようとしている。そして、この空母を守るために、日本の護衛艦、イージス艦がいる。まずは空母の母港化をやめさせること、ましてや原子力空母の母港化はやめさせるということが喫緊の重要な課題となっていると思う。