2008年2月23日(土)「しんぶん赤旗」
イージス艦衝突
二転三転 隠ぺい体質
赤嶺議員批判 海自は人命軽視
|
衆院安保委員会は二十二日、イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で審議を行いました。日本共産党から赤嶺政賢議員が質問に立ち、事故経過の説明が二転三転するなど防衛省・海上自衛隊の隠ぺい体質を厳しく批判しました。
赤嶺氏は、石破茂防衛相が当初、「清徳丸」の緑色の灯火を確認したのは「衝突の二分前」だと説明していたのに、「十二分前」だと変わった点について、「ウソをつくなと漁民から怒りと不信の声が上がっている」と指摘しました。
石破氏は、「説明が不十分で、防衛省・自衛隊が自分を守る印象を与えたとすれば申し訳ない」と認めました。
一方、「『二分前』という報告には私も疑問を提示した」「その時点で分かったことを、価値判断を加えずに捜査に支障のない範囲で公表している」と述べ、説明が二転三転していることを正当化しました。
これに対して赤嶺氏は、「有利な情報をたれ流して、不利な情報は隠しているのではないか」と指摘しました。
実際、「衝突当時、艦長は何をしていたのか」との質問に対し、石破氏は「その時、だれが何をしていたかは捜査の核心」と述べ、明らかにしませんでした。
海上自衛隊横須賀地方総監部の山崎郁夫幕僚長が、「清徳丸」の家族に対して「報道陣を無視しろ」と発言したことについては、「家族に圧力をかけるような印象を与えていたとすれば申し訳ない」と述べました。
赤嶺氏は、「『あたご』が後進をかけたのは、衝突の一分前。灯火を確認しようが、漁船が横切ろうが、自動操舵(そうだ)のまま、そこのけそこのけで航行を続けたということだ」と述べ、軍事優先・人命軽視の姿勢を厳しく批判しました。
■関連キーワード