2008年2月23日(土)「しんぶん赤旗」
ムダな道路より福祉
衆院予算委中央公聴会 公述人が指摘
衆院予算委員会は二十二日、二〇〇八年度予算案にかんする中央公聴会を開き、八人の公述人が意見を述べました。公述人からは、ムダな道路建設よりも、社会保障や教育の予算の確保を求める声が出されました。
奈良女子大学大学院の中山徹准教授は、社会保障分野で働く職員の劣悪な賃金状況を明らかにして、政府の制度設計・予算の不備が「社会保障分野でのワーキングプアを生み出している」と指摘。道路建設などの公共事業よりも、社会保障分野の方が人件費の比重が高く、消費拡大の効果も大きいとして、「社会保障分野で雇用安定をはかることが、地域再生にとっても決定的に重要だ」と強調しました。
慶応義塾大学大学院の片山善博教授(前鳥取県知事)は「(自治体にとって)道路も重要だが、決して道路だけではない」と述べ、教育など財源を必要とする多くの課題があると指摘。道路財源のほんの一部で学校図書館に司書が置けることなど、自らの知事時代の取り組みを語りながら、「道路特定財源を維持するのは意味がない」と訴えました。
日本共産党の笠井亮、吉井英勝両議員が質疑に立ちました。
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