2008年2月23日(土)「しんぶん赤旗」

なぜ共産党 議会で堂々

村民 「じーんときました」

長野・南牧村 菊池幸彦村長


 長野県南牧村(みなみまきむら)に日本共産党員村長が昨年十一月の村長選で誕生して三カ月余。菊池幸彦村長(66)に話を聞きました。菊池氏は、村議八年六カ月の後、二度目の挑戦で当選しました。(聞き手・海老名広信)


写真

 就任してから強く感じたことが三つあります。

 一つは、一月に開かれた県町村長大会でのことです。隣席の村長が、「共産党でよく当選しましたねー」と大きな声で話しだしました。向かいにいた別の村長が即座に、「いまはそういう時代ですよ」と話を継ぎ、十人ほどいた町村長と共産党談議に花が咲きました。和気あいあいとした雰囲気で、何の違和感もなく、党のことが話せる時代になったのです。

 二つめは昨年十二月、初めての村議会一般質問の中でのことです。ある議員は、私が共産党員であることについて質問してきました。私を困らせようとしたのでしょうが、「大変いい質問です」と答弁で受けてたちました。

 子どものころ、日本共産党は「アカ」「こわい者」だから近寄るなといわれ育ったこと。その後、戦前、想像を絶するような拷問を受けながら戦争反対を貫いたことを知った衝撃。「この正義感、勇気、不屈の精神に共感して二十歳のときに入党しました」、「偏見と差別はそう簡単にはぬぐいきれません。泣いたこともありました。それでもいまに分かってもらえると歯を食いしばってがんばってきました」と、丁寧に話しました。

 議会のようすはケーブルテレビで朝、昼、晩と三日間放映されました。「じーんときました」と、一般の方から感想が寄せられました。日本共産党への偏見や反共宣伝は通用しなくなった―。「いまはそういう時代だ」ということが証明された議会でした。

保育園の零歳児トイレさっそく予算化

歩き・聞き 願い実現

地図

 三つめは、新年度の予算編成に関してです。村内をあちこち見て歩き、現場で話を聞きました。中学校では「渡り廊下の雨漏りを何とかしてほしい」、保育園では「零歳児用のトイレがほしい」など、先生や保育士から要望があり、予算化しました。こんなことが、どうして放置されてきたのか、驚くと同時に不思議に思えました。

写真

(写真)千曲川ぞいに建つ南牧村役場(左奥)

 そうかと思えば、シカやイノシシしか通らないような村道に歩道があったり…。皆さんからいただいた大切な税金をどう使うのか、自治体に求められている最も大切な課題です。

 私の公約は「村民の意見をよく聞き村政を運営する」です。商工会、観光業者、PTA、保育園保護者会と懇談を重ねています。「村長は入学式と卒業式しかこないものと思っていたのに」と中学で歓迎されました。農政懇談会もつくりました。

 しかし、やろうとしてもできないことがたくさんあります。それが国政の壁によってはばまれるという現実です。

 例えば、障害者自立支援法のもと、NPO(民間の非営利団体)法人に移行した作業所にたいする村の補助は制約されます。後期高齢者医療制度では、お年よりに新たな負担がかかります。村が築いてきた先進的な保健予防活動が危うくなり、メタボリック症候群と糖尿病予防に重点化した「特定健診」をペナルティーつきであおられます。

 村民一人ひとりの願いがかなえられる、本当に“住民こそ主人公”、民主的で平和な社会にするには、国の政治をおおもとから変えなければなりません。今度の総選挙がチャンスだと思うのです。

 南牧村は人口三千人ほどの小さな村です。標高(一三四六メートル)日本一のJR小海線・野辺山駅や電波望遠鏡で知られます。八ケ岳の雄大な自然に親しみ、新鮮な高原野菜と酪農製品が味わえます。ぜひみなさん、遊びにきてください。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp