2008年2月23日(土)「しんぶん赤旗」
世界遺産を破壊と穀田議員
専用自動車道も再検討
国交相表明
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衆院委
日本共産党の穀田恵二議員は二十二日の衆院国土交通委員会で、道路特定財源を使って京都・奈良・和歌山を結ぶ高速道路(高規格幹線)「京奈和(けいなわ)自動車道」「圏央道」など、調査中の区間がある一般国道の専用自動車道見直しを求めました。冬柴鉄三国交相は「県をまたぐような大きな道路については第三者の公平な意見を聞いて透明性を図る必要がある」と答え、再検討を表明しました。
同相は、前日の六大横断道計画の再検討表明に続き、高規格幹線道路の一般国道専用自動車道計画についても見直しを表明したことになります。
穀田氏は、京奈和自動車道の一部で、調査中の「大和北道路」計画(十二・四キロ、総事業費三千百億円)を取り上げました。同計画には、世界遺産・平城宮跡地下に長さ四・五キロのトンネルを掘る予定が含まれていると指摘。地下水や埋蔵物に悪影響を及ぼし、深さ四十メートルに道路をつくるため、安全性にも問題があるとし、「古都・奈良で、こんな道路計画を進めていいのか」と迫りました。
福田康夫首相は、「平城宮跡地下にはきわめて重要な埋蔵資料である木簡があり、影響を受ける可能性がある」「道路整備にあたっては環境アセスメント(影響評価)実施や継続的な地下水、埋蔵文化財調査などを実施したい」と答えました。
穀田氏は、道路ネットワークの整備に固執して世界遺産すら破壊しかねない政府の姿勢を批判。「無駄というだけでなく、有害な道路についてはやめるべきだ」と述べ、「道路中期計画」の撤回を求めました。
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