2008年2月23日(土)「しんぶん赤旗」

千葉の漁師 総抗議

自衛艦衝突防衛大臣に 情報・防止策を

全漁連連名


 千葉県房総半島沖で海上自衛隊のイージス艦「あたご」が漁船「清徳丸」に衝突した事故で二十二日、全国漁業協同組合連合会(全漁連)と千葉県の漁業団体が、防衛省を訪れ、「航行及び漁業操業の安全を大きく揺るがすもので、強い怒りを禁じえない」と厳重抗議をし、石破茂防衛相あてに申し入れました。

 申し入れ書は、海上自衛隊は「過去に潜水艦と遊漁船が衝突する重大事故を起こした」と指摘。「県下漁業団体の総意をもって厳重に抗議する」と訴えています。

 (1)行方不明者の捜索に全力をあげる(2)正確な情報開示(3)房総半島、東京湾周辺海域での漁業操業実態を充分把握した再発防止策―を求めました。

 申し入れは、千葉県の中央八団体と、銚子から浦安まで沿海四十一組合と全漁連の連名。

 同日、新勝浦市漁協川津支所で、外記栄太郎組合長が記者会見し、明らかにしました。

 さらに外記組合長は、午前二時から五十八隻で行われた僚船による捜索活動について「手がかりがなく残念」とのべ、明日からの捜索は地元、川津支所は続行するものの、周辺支所は自由操業とすると発言しました。

 燃料高騰の影響もあり一回の捜索で軽油代が一隻あたり五万〜七万円(軽油五百〜七百リットル)かかりますが漁師仲間が「手弁当」で行っています。

 外記組合長は「漁師の仁義として捜索の続行は当たり前だが、収入がまったくゼロで、捜索だけで動いてもらうわけにはいかない。国は援助してほしい」と苦しい胸のうちを語りました。

 外記組合長は二十三日に吉清さん家族、親族ら三十人が、館山市からヘリで、現場海域で捜索中の巡視船へ向かう予定であることを明らかにしました。



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