2008年2月25日(月)「しんぶん赤旗」

道路58社 自民に6.5億円

04―06年 業界団体 天下り13人


 全国の道路建設業者でつくる社団法人「日本道路建設業協会」(道建協)の会員企業五十八社が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に二〇〇四年―〇六年の三年間で計約六億五千万円もの献金をしていたことが本紙の調べでわかりました。道路特定財源の存続を求めて行動している道建協。役員には、国土交通省(旧建設省、運輸省、北海道開発庁)、旧沖縄開発庁から十三人の天下りを受け入れており、ムダな道路建設をめぐる政財官の癒着の構造が浮かび上がりました。

 道建協は、一九四五年の創立以来、「『道路整備の推進』『道路技術の向上』『道路建設業の健全な発展』の三つを基本方針として活動」してきました。道建協のホームページによると、原毅会長(日本道路会長)は「新春を迎えて」と題する会長あいさつで、むこう十年間で五十九兆円を使い切る国交省の「道路中期計画」について、「誠に当を得たもの」と評価し、「道路特定財源」存続への期待をのべています。

 国民政治協会が総務相に提出している政治資金収支報告書(〇四年―〇六年)によると、副会長企業の「NIPPОコーポレーション」が二千百五万円、理事企業の「奥村組」が二千百三十五万円など、会員企業五十八社から計約六億五千三百九万四千四百円の献金を受けていました。(表)

 一方、道建協の役員三十四人のうち、元国土地理院長が副会長兼専務理事に就任しているのをはじめ十三人が天下り官僚。国交省の中部地方整備局副局長、国土技術政策総合研究所道路研究部長、旧建設省技監、旧建設省道路局路政課道路利用調整室長などです。

 政府、自民党、公明党は今後十年間、ガソリン税などの自動車関連の税金を道路建設だけに使い切るための関係法案を国会に提出していますが、政財官の癒着の構造のもとで、すすめられようとしている五十九兆円にのぼる道路建設計画そのものが問われています。

■道建協会員企業の自民党への献金(04年―06年:万円)

 浅沼組2075

 安藤建設1404

 朝日建設(富山)12

 青木あすなろ建設930

 伊藤組土建(札幌)925

 今井産業(江津)408

 今岡工業(出雲)708

 岩崎建設(福岡)18

 梅林建設(大分)333

 植木組(柏崎)180

 大林組4725

 小田急建設104

 奥村組(大阪)2135

 大本組(岡山)1953

 鹿島建設5824

 鹿島道路50

 加賀田組(新潟)288

 株木建設927

 加州建設(金沢)36

 北野建設(長野)1465

 後藤組(米沢)18

 佐伯建設工業(大阪)907

 清水建設5890

 西部道路(佐世保)9

 仙建工業(仙台)25

 大成建設5918

 竹中土木1395

 大有建設(名古屋)18

 土屋組(大垣)100

 鉄建建設1755

 戸田建設3524

 東鉄工業18

 東亜建設工業3370

 中筋組(出雲)208

 中野建設工業(佐渡)36

 西松建設3624

 日本国土開発756           

 NIPPОコーポレーション  2105 

 蜂谷工業(岡山)222

 ピーエス三菱1478

 福田組(新潟)844

 福田道路(新潟)406

 フクダ(島根県)436

 伏光組(広島)23

 前田建設工業4408

 前田道路75

 真柄建設(金沢)606

 升川建設(山形県)36

 松江土建(松江)108

 松尾建設(佐賀)25

 松山建設(福岡)18

 みらい建設工業907

 水倉組(新潟県)36

 矢作建設工業(名古屋)12

 やまこう建設(鳥取)72

 山口組(佐世保)24

 りんかい日産建設907

 若築建設480

 計6億5309

 《注》国民政治協会の政治資金収支報告書で作成。万円未満切り捨て



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