2008年2月28日(木)「しんぶん赤旗」
脳脊髄液減少症
保険適用早く
支援の会 34万7000人の署名
全国に三十万人の患者がいるといわれる脳脊髄(せきずい)液減少症の患者・家族、支援者らは二十七日、治療の保険適用の早期実現、学校現場での病気の周知徹底、治療研究の推進などを求めて、政府や各党に要請しました。十三都府県から集まった「患者支援の会」のメンバーの代表七人が三十四万七千人分の署名を舛添要一厚労相に提出しました。
厚労相に提出 共産党に要請
代表の一人、轟智恵さん(50)=大分県宇佐市=は「患者はもう待てません。一刻も早く保険適用を」と思いを語りました。轟さんの長女(18)は、五年前、中学校の体育の授業中にバレーボールが頭部に当たり重症の脳脊髄液減少症に。学校や医療機関がまともに対処せず、治療が遅れ苦しみました。
署名を受けた舛添厚労相は「課題はたくさんあるが、しっかり受け止め、できるところからやっていきたい。事務方に指示して検討していきたい。すぐにはならないかもしれないが」と答えました。
各党要請では、轟さんら三人が、日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員、赤嶺政賢衆院議員、仁比聡平参院議員を訪れました。福岡の代表は、国が脳脊髄液減少症を病気と認めていないため、交通事故の保険も払われない状況だと窮状を訴えました。
小池議員は「病気自体が知られていないが、保険適用することで、医師にも病気のことが知られ、治療も進む。超党派で取り組むことができる課題だ。政府がすることは直ちに保険適用することだ」と応じて激励しました。
脳脊髄液減少症 交通事故やスポーツ外傷など身体への強い衝撃により硬膜が破れ、脳脊髄液が漏れだす病気です。頭痛、めまい、倦怠(けんたい)感、記憶障害などさまざまな症状が現れます。治療法は、髄液漏れの部分の硬膜外腔(がいくう)に自分の血液を注入し修復する「ブラッドパッチ」が有効とされています。しかし、保険適用がなく、1回の治療に30万―40万円の費用がかかります。
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