2008年2月29日(金)「しんぶん赤旗」
「けが人と同乗」も虚偽
航海長ヘリ移送 海保、事前連絡を否定
海上自衛隊のイージス艦「あたご」の衝突事故をめぐり、石破茂防衛相らが海上保安庁の了解を得ずに航海長から聴取した問題で、同庁に「けが人と幹部をヘリで運ぶと事前に連絡した」とする防衛省の増田好平事務次官の説明を、海保側が「同乗者も、けが人搬送の連絡も防衛省側からなかった」と否定していることが二十八日、わかりました。
同省の虚偽に虚偽を重ねる隠ぺい体質の根深さが改めて浮き彫りになりました。
同省は二十六日の会見で、海自横須賀地方総監部防衛部第四幕僚室長が横須賀海上保安部に「けが人を病院に運ぶ。部隊に報告するため、幹部一人も運ぶ」と連絡したと説明していました。
海保側は、「連絡は事後だった」と否定。二十七日深夜、会見した増田次官は「相手(海保)が受けていないと言っており、(防衛省の説明が虚偽だった)可能性はある。もう少し確認して述べるべきだった」と釈明しています。
日本共産党の井上哲士参院議員への防衛省提出資料によっても、航海長を防衛省に移送したヘリには、「航海長 同乗者なし」と記載されており、同省側の説明に根拠はありません。
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