2008年3月5日(水)「しんぶん赤旗」
医療守れ 首長ら共感
自治労連キャラバン対話弾む
地域崩壊の危機打開ともに
自治労連は今春闘で、安心して住み続けられる地域医療と、まちづくりをめざし、「いのちと地域を守る大運動」をスタートさせています。地域医療と公的病院の充実をめざそうと、宣伝や集会、自治体、公的病院、市民団体との懇談をすすめています。
二月六日からは徳島県を出発し、四国四県を一巡し、月末にかけて静岡県内と北海道を回る医療キャラバンをおこないました。
どの地域でも医師不足や医療予算の削減で住民の命が脅かされているなかで、自治労連の懇談は歓迎され、「医師不足が一番の問題」と首長や病院長らと話がはずんでいます。
懇談で、北海道根室市の長谷川俊輔市長は、「医師の過重な働き方の改善が必要で、根本は医療費抑制政策にある」と指摘。「国は医師確保のために財政措置をしてほしい」とのべました。
「広い町で、ほかに大きな病院がない。町立病院は命と健康を守る福祉の根幹」。北海道別海町の水沼猛町長はこう強調し、「医師確保など最低限の医療を整えなければ地域の崩壊につながりかねない」と語りました。
公立病院の統合・削減を強いる国の「公立病院改革ガイドライン」についても、不満が続出しました。静岡県内のある市立病院長は、「経営の効率化だけでは本来の公的病院の使命とは違う」と指摘。別の院長も、「ガイドラインは経営コンサルタントに金もうけをさせるだけ」と批判しました。
JR徳島駅前の宣伝には、岐阜から来ていたお遍路さんが飛び入り参加する場面も。このお遍路さんはマイクを持ち、「安心してかかれる病院を守ろう」と訴えるなど反響を呼びました。
キャラバンで回っている以外の地域でも、地域医療の充実をめざす運動が広がっています。
岩手県奥州市では二月二十四日、「医療を考える市民の会」(事務局・奥州市職労)主催の集会に、市議会議長や市民ら約百七十人が参加。障害のある子どもを育てる母親は、「生活弱者を最優先に考える行政を望む。そのために公的病院の充実を」と訴えました。
県立病院がもうけ優先の独立行政法人にされる計画がある神奈川県内では二月下旬、足柄上地域で、県直営を求める地域の会などが街頭宣伝。白衣姿の宣伝隊も出て、署名には「私も署名を」と列ができました。
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