2008年3月13日(木)「しんぶん赤旗」

徹底審議 一貫して主張

国会正常化 共産党こう動いた


 参院予算委員会での予算案審議が十三日からおこなわれることが決まり、四日から「空転」していた国会が正常化することになりました。日本共産党国会議員団は、審議を通じて問題点を明らかにする、議会制民主主義のルールを守るという立場から、事態打開のために力を尽くしました。この間の経過をふりかえってみると―。


衆院与党採決強行(2月29日)

議長あっせん守れ

 審議空転の異常事態をつくりだした発端は、与党が二月二十九日深夜に衆院本会議で二〇〇八年度政府予算案とガソリン税の暫定税率十年延長などを盛り込んだ歳入関連法案の採決を強行したことでした。

 日本共産党の志位和夫委員長はすぐさま、予算案と歳入関連法案の徹底審議を求めた、衆参両院議長のあっせんによる与野党合意(一月末)を踏みにじる暴挙だと強く抗議。同時に、「これで議長あっせんが反故(ほご)になったと言うつもりはない」「むしろ議長あっせんをしっかり守らせ、徹底した審議を参院の場において求めていく」と表明しました。

 一方、民主党は「あっせんが反故にされた。あっせんは、なくなったという認識だ」(鳩山由紀夫幹事長)とし、「一週間は審議に入れない」(山岡賢次国対委員長)などと“宣言”しました。

参院予算委職権設定・民主欠席

与野党協議を提起

 与党は衆院での暴挙に続き参院でも四日、鴻池祥肇予算委員長(自民党)の職権による委員会日程設定を強行。民主党は欠席戦術で対応し、社民党も同調しました。民主党会派は、予算委員会で過半数を占めているため、結局は開会がとりやめになる事態がそれ以降、続きました。

 日本共産党の大門実紀史議員は、そのたびごとに委員長に対し、職権開会というやり方に抗議し、与野党協議による打開の道を探るべきだと求めました。

 六日には志位委員長が記者会見で、強引なやり方を続ける与党に加え、民主党も、参院第一党としての努力を放棄していると批判。「わが党は自公と民主の双方に対して、国会空転を打開し、国民の前で徹底した審議を行うために、責任ある対応をとることを強く求める」と提起しました。穀田恵二国対委員長は同日、与党と民主党に対し、衆参与野党国対委員長会談の開催を申し入れました。与党に対しては、協議による事態打開のためにも委員長職権による日程設定をやめるべきだと申し入れました。

審議入り条件

直ちに再開求める

 翌七日、鴻池予算委員長は、いったん設定した委員会日程をみずからとりやめました。その理由について鴻池氏は「野党が言っているように(職権での委員会日程設定を)やめて、話し合えるようにするためだ」と記者団に説明しました。

 十日には四野党の書記局長・幹事長と参院幹事長の会談がおこなわれ、一部の党から、審議入りには与党側の謝罪を条件とすべきだとの意見が出ました。

 日本共産党の市田忠義書記局長は、議長あっせんを踏みにじる与党の暴挙を批判しつつ、「謝罪を条件にすると、与党が謝罪を拒否すれば、永久に審議ができなくなる。抗議しながら、審議の中で、法案の中身と自公の態度のひどさを明らかにしていくべきだ」と主張。最終的に、参院段階で、ただちに審議がはじめられるよう、その条件づくりに力をつくすことなどを確認しました。

 その後の参院予算委理事懇談会(十二日)で、十三日からの審議入りが決まり、正常化がはかられました。


ルール守る努力貫く

 議会制民主主義のルールを守るための日本共産党の努力は、これまでも一貫してきました。

 一月末に与党は、年度末で期限が切れるガソリン税の暫定税率を二カ月間延長する「つなぎ法案」を提出し、ごり押ししようとしました。同法案は、自動的な暫定税率の十年延長につながるもので、国会審議権を根本から奪い、議会制民主主義の危機をもたらしました。

 日本共産党は「つなぎ法案」を「議会制民主主義のじゅうりんだ」と批判したうえで、あくまで話し合いによる解決をめざす立場から、与野党に働きかけを行いました。

 このなかで市田書記局長は「徹底的な審議を行った上で、期限内に一定の結論を出すために、与野党双方が努力する」ことを提起し、ほかの野党も賛同。四野党として、河野洋平衆院議長に野党側の提案をもとに与党と合意をはかるあっせんを要請しました。

 その後に開かれた衆参両院議長と与野党書記局長・幹事長会談で、市田氏の提起とほぼ同じ内容の議長あっせん案が出され、各党は合意。与党は法案を取り下げました。


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