2008年3月18日(火)「しんぶん赤旗」
私大生生活費が最低に
首都圏 自宅外通学者、月3万6000円
東京私大教連調べ
昨年春に首都圏の私立大学に入学し、親元を離れて暮らす自宅外通学の学生の月あたりの生活費が、平均約三万六千円と過去最低を更新したことが十七日、東京地区私立大学教職員組合連合(岡野内正委員長・東京私大教連)の調査で分かりました。
調査は昨年五―六月、一都四県の十七大学・短大に入学した学生の保護者を対象に実施。約四千三百人(14%)から回答がありました。
それによると、入学直後の出費が落ち着く六月の自宅外通学生への平均仕送り額は、九万五千九百円で七年連続の減少。最高だった一九九四年の十二万四千九百円とくらべ二割減少しています。
仕送り額から家賃を差しひいた生活費は三万六千七百円で、一日あたり千二百二十三円となりました。
入学の年にかかった費用は三百二万円で、税込み平均収入九百六十万円の三割を超えました。
学費の捻出(ねんしゅつ)には、自宅通学生の家庭も含め多くの保護者が苦心しています。
初年度納付金など入学の年にかかる費用のために、保護者の五人に一人が借金をし、借入額は平均百六十四万円でした。
日本学生支援機構(旧日本育英会)などに奨学金を希望して申し込んだ家庭は、希望した家庭の61%。初めて六割を超え、十年前のほぼ一・五倍となりました。
アンケートには、「男子を二人、私大に通わせています。住宅ローンや教育費にかかり、今の貯蓄はほとんどありません」「子どもが大学入学直後に主人が失業。家計が大変です」など切実な声が寄せられています。
東京私大教連は「わが国の高等教育への公財政支出はOECD(経済協力開発機構)加盟二十九カ国中二十九位ときわめて乏しい。とりわけ私大助成金があまりにも不十分だ」と指摘、助成増額を求める国会請願署名に取り組むとしています。
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