2008年3月19日(水)「しんぶん赤旗」
酪農家「乳価上げよ」
利益増の明治乳業に要求
農民連など
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輸入飼料の高騰で日本の酪農存続が危ぶまれているなか、農民連(農民運動全国連合会)と畜全協(畜産農民全国協議会)は十八日、乳業メーカーの最大手の明治乳業(本社東京都江東区)と日本乳業協会にたいし、利益を還元して生産者乳価を値上げするように要請行動をしました。
酪農は輸入穀物の配合飼料を与え、高脂肪で大量の生乳を搾ることが「効率的」として政策的に誘導されてきました。飼料は75%を外国に依存しています。飲用乳価は、四月から一キロ三円あがりましたが、「税金申告の相談をしたが、酪農経営はほとんど赤字だ。三円ではとてもだめだ」(宮城農民連の鈴木弥弘事務局長)という状態です。
明治乳業は、経常利益を二〇〇二年の百十四億円から〇六年に百八十三億円に増やしています。農民連の笹渡義夫事務局長は明治乳業本社前で宣伝。ヨーロッパ諸国は飼料価格アップ分を還元して酪農を守る措置をとっていることを指摘、「明治乳業はぼろもうけの『ぼろ』の部分を農民に還元せよ。自給率向上に責任をもて」と訴えました。飲用の生産乳価を一キロ十円以上引き上げることを求めました。この後要請文を同社に届けました。
また農水省には、バター・脱脂粉乳の加工乳価一キロ四円積み増しで五円を求め「日本の畜産・酪農存続に責任をもつべきだ」と迫りました。
明治乳業争議支援共闘会議の労働者や食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)の参加団体をあわせ六十三団体、四百五十人が共同しました。
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