2008年3月21日(金)「しんぶん赤旗」
イラク戦争
米大統領が正当化
「予想超え長期化、困難」
【ワシントン=西村央】ブッシュ大統領はイラク戦争開戦から五周年になる十九日、国防総省で演説し、サダム・フセイン元イラク大統領を権力の座から引きずりおろしたのは正しい選択だったとこれまでの姿勢を繰り返す一方、イラクでの戦闘が予期以上に長期にわたり、困難で費用もかさんでいると表明しました。
演説ではサダム・フセイン政権下の人権問題などにふれているものの、ブッシュ大統領が開戦の理由にあげた、大量破壊兵器の存在や、同政権と国際テロ組織アルカイダとの関係が、米国政府自身の調査でいずれも否定されていることには一切口をつぐんでいます。
治安状況については、昨年来の増派で米兵被害が減少していることをあげ、改善を強調。しかし、その一方で軍の縮小・撤退には慎重な姿勢をみせ、四月に現地のペトレアス司令官とクロッカー駐イラク大使による議会報告を受けて、「イラクでの米軍の規模を決める」と表明しました。
イラク駐留の新たな合理化論として、「アルカイダがイラクの石油を確保して利を得るようになれば、米国や他の自由諸国を攻撃するための大量破壊兵器調達に走るという野望を持ちかねない」という点をあげました。
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