2008年3月26日(水)「しんぶん赤旗」
食料主権に立ち農政転換を
「再生プラン」示し 価格保障求める
紙議員
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日本共産党の紙智子議員は二十五日の参院農水委員会で、各国が食料・農業政策を自主的に決定する「食料主権」について政府の認識をただし、食料自給率を向上させるため党が「農業再生プラン」で示した農産物の価格保障政策をとるよう求めました。
食料主権について若林正俊農水相は、「私もWTO(世界貿易機関)交渉などで、それぞれの国家は国民に対して食料を安定的に供給する責任を負い、その責任を果たすため(交渉で)主張する権利を持っていると表明した」と述べました。
紙氏は、農水相の諮問機関でも、食料の海外依存が通用しなくなっており、食料自給率を向上しなければならないとしていることを指摘。40%台まで落ちた自給率を価格保障制度の導入で70%台まで引き上げたイギリスの事例を示し、「日本でもやるべきではないか」と迫りました。
若林農水相が、「食料の安定確保には、(市場の)需要に即した生産ができる経営感覚に優れた生産者の育成が必要」と主張したのに対し、紙氏は、現在の農業衰退の背景には、WTO協定下で農業を市場原理に任せ、価格保障を大幅に削減してきたことがあると反論しました。
さらに、農水省が、現在の協定枠内でも農産物の価格保障は「理論的に可能」と認めていたことを指摘し、農家の販売価格が平均的な生産費を下回った場合、その差額を公的に補う「不足払い制度」の実施を求めました。
若林農水相は、WTO協定が、価格保障などをより削減する方向で議論されていることを理由に否定的な姿勢を示し、紙氏が重ねて求めたにもかかわらず、「(農家を)価格政策で支える政策をとるつもりはない」と答弁しました。