2008年3月27日(木)「しんぶん赤旗」
宇宙軍拡会議に文科省職員出席
吉井議員が批判
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文部科学省の職員と、同省に置かれ宇宙開発を担う宇宙開発委員会メンバーが、軍需企業が主催する宇宙軍事利用推進のための会合に出席していたことが二十六日、分かりました。日本共産党の吉井英勝議員が衆院内閣委員会で明らかにし、宇宙利用を平和目的に限定した国会決議(一九六九年)に反するものだと批判しました。
会合は、日本電気主催の「宇宙・防衛フォーラム2007」で、昨年十一月十六日に都内で開かれました。ラルフ・エド・エバハート元米空軍大将が「国土防衛における宇宙利用」、米戦略国際問題研究所のジェームズ・ルイス上級研究員が「宇宙と国家安全保障」のタイトルで講演。内容は、「ミサイル防衛」など宇宙の軍事利用を進めるものばかりです。
文科省から、研究開発局の片岡洋参事官、宇宙開発委員会の松尾弘毅委員長と青江茂、池上徹彦両委員が出席しました。
文科省の青山伸審議官が四人の出席の事実を認めたのに対し、吉井氏は、政府が情報収集衛星(軍事偵察衛星)の導入などを進めるなかで、「感覚がマヒしている」と批判しました。
また吉井氏は、宇宙軍拡のため自民党内につくられている「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」に、防衛省幹部や「日本航空宇宙工業会」常務理事がメンバーとして加わっており、その常務理事が二人とも、元防衛省幹部だと指摘。さらに与党が、宇宙の軍事利用に道を開く宇宙基本法制定を狙っていることをあげ、「政軍財が一体となって宇宙を軍事利用しようと活動しているのは明らかだ。世界の平和と地球環境破壊につながる危険な企てだ」と告発しました。