2008年3月28日(金)「しんぶん赤旗」
QC(品質管理活動)も労働時間
厚労相「地裁判決に沿う」
小池議員質問
舛添要一厚生労働相は二十七日の参院厚生労働委員会で、大企業などでサービス残業になっている「QCサークル」など小集団活動について、「上司の管理下にあって業務命令と考えられるものは、労働時間と算定するよう(トヨタ自動車の内野健一さん過労死事件で小集団活動を労働時間と認定した)名古屋地裁判決の趣旨に沿って労働行政を行っていきたい」とのべました。
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日本共産党の小池晃参院議員の質問に答えたもの。これまで厚労省は自主活動については労働時間外としていました。トヨタなど大企業各社が自主的と称して、労働時間外に押し付けてきた品質・生産性向上のための小集団活動について、抜本的な見直しが迫られることになります。
名古屋地裁判決(二〇〇七年十一月。国が控訴せず確定)は、自主的とされていた「QCサークル」「創意くふう提案」「EX会」「交通安全活動」について、「上司に管理され、その命令で業務に従事する可能性があった」として労働時間と認定。これに従い豊田労基署は、三カ月で百五十時間あまり時間外労働が増えたと認め、遺族年金などを支給しました。
小池氏は、トヨタが内部文書で「自主活動に対するルールが変更されるかどうかは不明なので、当社の扱いを変更する必要があるかは不明」と反省もしていないことを指摘。トヨタのQCサークルには国内で四万四千人、海外で四万六千人が参加していることをあげて、「自主活動を装っている小集団活動は『隠れたサービス残業』だ。労働行政には名古屋地裁の判断規準に沿って、厳しい指導監督をしていく責任がある」とただしました。