2008年3月28日(金)「しんぶん赤旗」

肝炎恒久対策

与党・民主 協議打ち切り

共産党が批判 「超党派で一致点を」


 ウイルス性肝炎患者にたいする医療費助成などの恒久対策を検討していた与野党協議会は二十七日、自民、民主両党の主張で協議の打ちきりを決めました。日本共産党の小池晃参院議員は、肝炎患者ら国民の期待に応えるために「与野党協議を継続すべきだ」と主張しました。同協議会には高橋千鶴子衆院議員も参加しました。

 前国会では、与党が衆院に「肝炎対策基本法案」を提出し、民主党が参院に「特定肝炎対策緊急措置法案」を提出しています。その後、薬害C型肝炎被害者救済法が全会一致で成立し、その付帯決議に恒久対策が盛り込まれたこともあり、両法案の一本化が期待されていました。

 ところが、昨年十二月七日に全会派出席で一回目の協議会が開かれて以降、与党と民主党のみで非公式協議が続けられてきました。これをうけ二十七日の協議では、自民党側が「合意得られず、一本化は難しい」と主張。民主党側も「だらだらとできない。終わりにしたい」と主張しました。

 小池氏は、自民・公明、民主の三党のみで詰めの協議をおこなってきた議論の進め方の問題を指摘したうえで、「両党の協議でまとまらないから打ちきるというのは論外。全会派参加のもとで、協議を続けるべきだ」と強調しました。

 さらに、「すべての肝炎患者を救済する恒久対策は、党派をこえて一致点を見つけるべきだ」と述べ、「協議の打ち切りは、国民の期待を裏切ることになる」と指摘しました。

恒久対策の実現へ全力

記者会見で高橋議員

 肝炎患者救済にむけた恒久対策を検討していた与野党協議が打ち切られた問題について日本共産党、民主党、社民党の三党は二十七日、国会内で記者会見しました。

 日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は、与野党協議による恒久対策の実現を一番望んでいたのは「薬害肝炎の原告団のみなさんだ」と指摘。一月に成立した薬害C型肝炎被害者救済法の付帯決議に沿って「三百五十万人のウイルス性肝炎患者にたいする恒久対策を実現することが、国会に問われていた」と強調しました。

 高橋氏は協議打ち切りという事態について「いずれにしても決議はある」と述べ、「与野党協議の努力を決裂で終わらせず、肝炎患者にたいする恒久対策をよいものにするために全力を尽くしたい」と決意を語りました。



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