2008年3月28日(金)「しんぶん赤旗」
後期高齢者医療
4月実施の保険料年金天引き
31市区町村で延期
七十五歳以上を対象にした後期高齢者医療制度で、三十一市区町村が、制度が始まる四月に年金からの保険料天引きを実施しないことがわかりました。昨年秋に政府・与党が打ち出した保険料徴収の一部先送りなどの影響を受け、準備が間に合わないことがおもな理由です。
後期高齢者医療制度では、原則として保険料を年金から天引きします。「確実に徴収するため」(厚生労働省)です。
厚労省によると、四月に年金天引きを実施しないのは、東京都内の十四区や横浜市、さいたま市など三十一市区町村(別項)。このうち東京都御蔵島村を除く三十市区町村は、十月から実施する予定です。
四月からの実施を見送ったおもな理由は、天引きの対象者の把握に手間取って準備が整わないことなど。自治体の担当者は「本来は徴収すべきでない人から間違って天引きして、迷惑をかけることがないように、延期を決めた」(さいたま市)と話しています。
問題だらけの制度の実施を強行する矛盾があらわれています。
保険料の年金天引きをめぐっては、「少ない年金からも問答無用で取り立てるなんてひどい」など、高齢者から批判が続出しています。
厚労省保険局は「四月実施が原則だが、特別な事情があれば、実施を延期する自治体が出ることは仕方ない」と話しています。
年金からの天引きを4月に実施しない市区町村
(北海道)苫小牧市、標津町、天塩町、西興部村、(埼玉県)さいたま市、狭山市、所沢市、新座市、川越市、入間市、富士見市、(東京都)荒川区、板橋区、江戸川区、大田区、葛飾区、北区、品川区、渋谷区、新宿区、杉並区、台東区、中央区、港区、目黒区、青ケ島村、小笠原村、利島村、御蔵島村、(神奈川県)横浜市、(愛知県)東浦町