2008年3月28日(金)「しんぶん赤旗」
漁民の実態に合わず
漁業経営安定対策 紙議員、見直し求める
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日本共産党の紙智子議員は二十七日の参院農水委員会で、四月から実施される漁業経営安定対策について、北海道では実際に制度を利用できるのが漁業者の一割にすぎないことを明らかにし、加入要件の見直しを求めました。
同制度は漁業関係者が長年要望してきたもので、漁業者の収入が減少した際、現行の漁業共済の補償に上乗せするかたちで収入を補てんすることを柱としています。
紙氏は、制度に加入するには都道府県ごとの平均雇用者所得の85%以上が必要で、北海道では二百六十八万円以上となっていると指摘。道漁連の調査では、加入できるのは一万七千以上ある北海道の漁業経営体のうち千六百(9%)しかないことを示し、「あまりに少ないと思わないか」と認識をただしました。
水産庁の山田修路長官は、経営安定対策の目的である「効率的かつ安定的な漁業経営」の育成のためと、所得制限を合理化しました。
紙氏は、国産水産物の供給基地といわれる北海道でさえ一割では、他の都府県ではさらに加入率が下がるとし、「加入要件自体が漁業者の実態に合っていない」と強調。燃油高騰の影響などで漁業者がさらに厳しい経営を迫られていることをあげ、「効率的で安定的な経営体を育てるという制度の目的からも外れるのではないか」と重ねて所得制限の見直しを求めました。
若林正俊農水相は「スタートはこの条件でやらせてほしい」などと述べました。