2008年3月28日(金)「しんぶん赤旗」

イラク 戦闘激化

サドル派民兵軍、抗戦

米軍が空爆 民間人犠牲

首都で数十万人デモ


 【カイロ=松本眞志】イラク南部のバスラから各地に広がった米・イラク軍とイスラム教シーア派のサドル師派民兵組織マハディ軍との戦闘は、三日目の二十七日も、首都バグダッドを含む各地で続きました。米軍の空爆を含め、これまでに百人以上の死者がでています。

 カタール衛星テレビ・アルジャジーラによると、米占領軍当局や政府省庁の建物が集中するバグダッドの「グリーンゾーン」には同日、ロケット砲弾十六発が着弾し、数人の負傷が報じられるなど事態はエスカレートしています。

 中部のクートでは同日未明、イラク治安部隊や米軍とマハディ軍の戦闘で、民兵四十人と警官四人が死亡、七十五人が負傷しました。

 ロイター電は、「グリーンゾーン」内の米国大使館の付近で黒煙があがったとし、敷地内に着弾したとの情報もあると伝えています。これまでのところ大使館関係者で被害者はいないといわれていますが、米政府が現在管理している旧フセイン大統領宮殿も被弾するなど緊迫した情勢が継続しています。

 南部のバスラでもマリキ首相が民兵勢力に投降を呼びかけたにもかかわらず、激戦が継続しているとされます。石油パイプラインが爆破されたとの情報もあります。

 バグダッドではまた二十七日、サドル派の呼び掛けた抗議デモに数十万人が参加し、マリキ首相の退陣を訴えました。



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