2008年3月28日(金)「しんぶん赤旗」
地上職への配転無効
ノースウエスト客室乗務員 高裁で逆転勝訴
ノースウエスト航空の客室乗務員五人が地上職(旅客サービス課)に配転されたのは不当だとして、客室乗務員の地位確認や損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が二十七日、東京高裁民事十四部でありました。
西田美昭裁判長は「配転命令は権利の乱用で無効」とのべ、請求を棄却した一審の千葉地裁判決を変更し、客室乗務員の地位を確認するとともに総額四百四十万円の賠償を命じる労働者側の逆転勝訴判決を出しました。
同社は〇一年、経営不振を理由に客室乗務員を地上職に配転。その後、「客室乗務員であるすべての組合員は、客室乗務員としての職位を失わないように努力する」との確認書を労組と交わし、乗務員に復帰させましたが、そのわずか五カ月後の〇三年三月、再び地上職に強制配転したため訴訟を起こしました。
控訴審判決では、会社側が配転理由にあげた人員の「余剰」について、「会社に最も都合のよい条件を設定して試算したもので信頼性は薄い」と指摘しました。
さらに、正社員を契約社員に置き換えるなど「会社が自ら作り出したものであり、労使確認書に反するものである」と強調。「深夜乗務手当などが得られなくなり、無視できない経済的不利益を受けた」「誇りをもって精勤してきた仕事から外された精神的な苦痛は大きい」と認めました。
判決後記者会見した清水晶彦さん(48)は「配転に合理性も必要性もなかったと公正な判断がされた。長くがんばってきたことが報われてうれしい。会社に直ちに客室乗務員に戻すよう求めていきたい」と語りました。
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