2008年3月29日(土)「しんぶん赤旗」
破たん予算 貧困広げる
成立うけ志位委員長会見 政治の姿勢転換を
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二〇〇八年度予算案が二十八日、参院で否決されたのち衆院の議決優先により成立しました。これを受け、日本共産党の志位和夫委員長は同日夜、記者会見し、「予算は成立したが、あらゆる面で破たんがあらわとなり、ボロボロになった予算だ」と表明しました。
社会保障予算では、自然増分の毎年二千二百億円抑制について、政府からも「続けるのは難しい」という答弁が繰り返されたにもかかわらず、この路線を変えようとせず、四月からは後期高齢者医療制度という大変悪い制度を押しつけようとしていると批判しました。
道路特定財源の問題についても、福田康夫首相自身が二〇〇九年度からとはいえ、一般財源化を約束しておきながら、十年間特定財源を続け、暫定税率を続けることを前提とした予算を通したと指摘。「こういうやり方はだめだと自分で破たんを認めた予算を通した」と批判しました。
また、米軍への「思いやり予算」でも、沖縄で米海兵隊員による少女暴行事件がおきたのに「このような軍隊に国民の税金を使うということについてまともな説明ができないでいる」と指摘しました。
その上で志位氏は「破たんしボロボロになった予算を数の力で通しても、日本経済も暮らしもよくならず、貧困と暮らしはいよいよひどくなる」と指摘。「私たちはいまの政治の姿勢そのものの転換を大いに求めてたたかっていきたい」と決意を述べました。
道路中期計画の撤回へ徹底追及
志位氏は、道路特定財源の問題を問われ、首相による〇九年度からの一般財源化表明について、「それならば、なぜ〇八年度からやろうとしないのか」と批判しました。
十年間の「道路中期計画」についても、五年間に短縮しながらも、総額を先に決めるやり方を続け、さらにガソリン税の暫定税率も維持しようとしていることもあげ、「一般財源化をいう以上、これらのことは説明がつかなくなっている」と指摘しました。
志位氏は、「福田首相が『一般財源化する』といった以上、『道路中期計画』は撤回し、暫定税率をなくすという方向に踏み込むことが求められている」と述べ、今後の論戦で政府を追及していく考えを表明しました。