2008年3月30日(日)「しんぶん赤旗」
反貧困 連帯
フェスタに幅広い団体
貧困の実態を伝え、貧困を解決する道を広げようと二十九日、初めての「反貧困フェスタ2008」が東京都内で開かれました。労組や市民団体、弁護士などでつくる反貧困ネットワークの主催。全労連、連合などの労組をはじめ農民、市民、女性など九十を超える団体が参加し、会場の千代田区立神田一橋中学校には千六百人が集いました。
宇都宮健児代表は「実態を社会的に共有し、解決に向けて社会的な合意を勝ち取ることが必要だ」とあいさつ。「労働と貧困」「子どもと貧困」などのシンポジウムや労働相談、健康診断、映画・音楽、飲食模擬店はどこも盛況で、校庭に敷かれたシートの上で話し合う姿が広がりました。
「労働と貧困」シンポジウムでは日雇い派遣の実態が告発され、「派遣法の改正による非正規雇用の増大が最大の原因」(連合・高木剛会長)として派遣法の改正や社会保障の安全網構築が訴えられました。
「海外特派員が見た日本の貧困」のシンポジウムでは、英国、ドイツの新聞、韓国のテレビ局の特派員が、日本と各国の貧困の現状や報道ぶりを比較し、「貧困問題をテーマにした報道を強めたい」と語りました。
大手電機会社を辞めて四年前から墨田公園で野宿生活している男性(61)は、炊き出しを食べながら、「無料で住める場所があれば、生活をたて直せる」。路上生活をしているという別の男性(54)は「この集いは励みになる」と話しました。
若者の姿も目立ちました。貧困と平和を取り上げた憲法ミュージカルに出演した女性(18)は「私立大学に合格したけど、親から『入学金が高くて出せない』といわれあきらめようかと思ったが、親せきの援助で入学できた。貧困は私たちの問題です」と話しました。
フェスタには国会議員の姿もあり、日本共産党からは仁比聡平参院議員が参加しました。
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