2008年4月1日(火)「しんぶん赤旗」

道路財源の根拠消える

暫定税率が失効

ガソリン値下げへ


 ガソリン税などに上乗せされている暫定税率(一リットル当たり約二十五円)が三月三十一日に期限切れを迎え、四月一日からなくなります。税率維持を盛り込んだ租税特別措置法改定案が年度内に成立しなかったためです。これらの税収を道路整備に充てることを定めた道路整備財源特例法も失効し、道路特定財源は法的根拠を失いました。道路財源関係以外は「つなぎ法案」で適用が延長されます。


 暫定税率は、「道路財源の充実」を理由に「暫定措置」として一九七四年に導入されました。何度も延長が繰り返されましたが、創設以来三十四年ぶりに期限切れとなり、初めて失効しました。

 ガソリン税は、製油所などからの出荷時に課税される「蔵出し税」です。在庫分には暫定税率が適用されているため、すぐに値下げするかどうかは、各店の判断となります。

 政府・与党は、暫定税率復活のため、ガソリン税などの暫定税率十年間延長を盛り込んだ租税特別措置法改定案を、衆院で再可決することを示唆しています。参院で六十日以内に議決しない場合、否決したとみなす憲法の規定を適用して衆院で三分の二以上の多数で再可決するというものです。

 しかし、福田康夫首相は、二〇〇九年度からとしながらも道路特定財源の全額一般財源化を主張しており、課税根拠を失った暫定税率の復活にはまったく道理がありません。衆院での再可決を前提にすれば、これから始まる参院での法案審議が無意味になるため、野党の強い反発を招くことになります。


暫定税率・中期計画は廃止を

市田書記局長が表明

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(写真)記者会見する市田忠義書記局長=31日、国会内

 道路特定財源を根拠づける関連法が四月一日に失効することが確実になったことについて、日本共産党の市田忠義書記局長は三月三十一日、国会内で記者会見し、党の立場を表明しました。

 年間約六兆円もの予算を道路をつくり続けるためだけに使う仕組みである道路特定財源に関し、福田康夫首相が二〇〇九年度からの全額一般財源化を表明したことについて、市田氏は「一つの転換だ。国会での論戦と国民世論が追い込んだものだ」と強調しました。

 この道路特定財源の根拠法になっているのが、いま参院にかかっている道路整備財源特例法改定案です。市田氏は、福田首相が〇九年度から一般財源化するというのであれば「この法案は廃案にすべきだ」と主張。ガソリン税の暫定税率についても、大本にあるのは道路特定財源であり「道路特定財源を一般財源化するのであれば、暫定税率も廃止すべきだ」と述べました。

 また、一般財源化すれば、福田首相が期間を十年間から五年間にするとした道路中期計画(素案)の総額五十九兆円の根拠がなくなると指摘。世論調査でも反対が広がっていることを示し、「総額先にありき」という同計画の白紙撤回を改めて求めました。

 市田氏は、政府・与党のなかで、参院送付から六十日がたつ四月末以降に歳入・税制関連法案と道路整備財源特例法改定案を衆院で再議決することがとりざたされていることを批判。日本共産党として、政府・与党が再議決を強行すれば、国民の批判を浴びて窮地に陥るような論戦を参院で正々堂々と展開し、再議決できない状況をつくりだすために全力を挙げる決意を表明しました。



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